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授業は連続体

公開日
2010/09/12
更新日
2010/09/12

今日のひとこと

福岡県頴田小学校の川畑典子先生から、8日の中心授業の反省が届いた。その中に「授業は連続体」というのがあった。まさにその通りである。川畑先生のメールを紹介しよう。

「志水廣先生
先日は頴田小の授業診断・研修会で、ご指導いただきありがとうございました。私の研究授業・協議会での先生のご指導は、理論と実際を一致させるうえで頴田小全職員にとって大変有効でした。わたしも、協議会の映像や先生の著書「算数力がつく教え方ガイドブック」で、もう一度自分の授業を振り返りました。

改善点は、山ほどありますが・・・特に2つあります。まず1つめは、導入での見通しを持つ段階で、「2ひきに減った」という子どもの発言を生かせなかったということです。その要因としては、教材研究の際、その発言を予想できていなかったこと、自分の予想外の発言が出て、私が混乱してしまって正確に、復唱・板書化・切り返しができなかったことが考えられます。今後は、教材研究で予想される子どもの発言を十分検討し、教師側の想定内を増やすことと、子どもの発言を正確に復唱できる力をつけることに努めていきたいと思います。
2つめは、授業は連続体であることです。それは、見通しで立てた仮説・予想を検証していくのが、練りあいの段階であるということです。そのため、練りあいでは、見通しの段階での子どもの発言・気づきに戻ったり関連させること、予想と結果を照らし合わせてもう一度確認していくことが大切です。そうすることで、1時間の授業の中で子どもの思考のスムーズな流れや深まりが見られるのです。その他にもたくさんのことを教えていただきました。それらを振り返り、教師として、教える者としての基礎・基本を身につけ、今後も伸びていきたいと思います。これからも、ご指導よろしくお願いします。  
  頴田小 川畑典子」

川畑先生の反省はもっともなのだが、氏の授業はかなりの高いレベルであった。
第一に、全員の子どもが自力解決できていた。
その原因は、見通しの場をきちんとしたことである。「2ひきにへった」という言葉は板書しなかったが、子どもたちには理解できていた。「ふえて、へって」のところをまとめて考えることができていた。ここでは、「2ひきへった」という言葉と「2ひきにへった」という言葉との混同があった。子どもは一瞬話しただけだから、「に」の存在に気がつかなかったのはやむをえない。これこそ、「もう一度言って」の意味付け復唱法の技が使えた。
第二に、前時までの積み重ねが大きいことであ。
第三に、子どもの能力の高さである。図をかく力、わけを文章化できる力はともに素晴らしかった。
普通の子どもたちをあの高さまでもっていったことに感動した。

この前提のもとに、上の反省がある。
初心にもどって、「算数力が身に付く教え方ガイドブック」から読み直したということにも感激した。
ありがとうございました。
[志水廣の公式ホームページ]
http://www.meijitosho.co.jp/shoseki/shosai.html?bango=4%2D18%2D540018%2D7