理論とノウハウ

このページでは、鈴木が研究している内容「算数・数学学習におけるグループを活かした授業」や研究成果などを紹介します。

算数・数学科において「主体的・対話的で深い学び」や「協働的な学び」の実現を目指して、グループを活かした授業について、学校現場に出向いて実証的研究し,先生方には校内研修や授業アドバイスをしています。


グループを活かした協同解決型の授業とは

□ グループを活かした授業の基本的な考え方

よりよいグループ学習に取り組む過程で,メンバーそれぞれが高まり,グループで学んだことを互いに交流する中で各グループが高まり,学級全員(個)がさらに高まることを目指します。よりよいグループ学習とは,メンバー間の協同性やコミュニケーションスキルが発揮され,メンバーが関わり合い,対話に依る相互作用の効果が発揮されるグループ学習です。よりよいグループ学習がなされるための方法として,グループの運営は役割設定・付与に依らないものとし,話し合いはメンバーの状況や考えの多様に応じて話し合いを進めるといった枠組みを提唱しています。また,グループ学習の目的に応じて,3つのパターンのグループ学習(協同解決型のグループ学習,足場づくりのためのグループ学習,グループトーク)を提唱しています。これら3つのパターンを学習内容に応じて,指導過程に効果的に位置づけます。(引用:本HP掲載「算数・数学 グループを活かした授業の手引き:理論と方法」第1章)


□ 協同解決型のグループ学習

 協同の活動をベースにしながら,グループで教科の教授方略に依り,問題を解決するグループ学習です。算数・数学は教授方略「練り上げ」に基づき,課題(問題)に対して,メンバーが自分の考えを提供し合い,理解共有し,比較検討等してよりよくし,グループとしての考えをまとめます。なお,グループでまとめず一人一人がグループで話し合ったことを振り返り,自分の考えを整理する場合もあります。(引用:鈴木,2020)

□ 足場づくりのためのグループ学習

 授業の前半に,問題1(教科書では1⃣)の解法についてグループで話し合い理解する活動や,解法の見通しをグループで話し合い理解するためのグループ学習です。これは本時の問題を解決するための知識・技能・考え方に関しての理解レベルを上げることを目的とし,足場づくりのためのグループ学習を経て(全体で確認した後に),問題2の個人解決に進みます。(引用:石田,2007:石田・神田,2007)

□ グループトーク

 「~の事をグループで少し話し合ってごらん」などと,全体での話し合いの場からグループ学習に切り替えて,さらに全体に戻す教授方略です。グループトークはグループを活かしてメンバーの理解共有と理解促進が目的です。グループトークは短い時間(1分程度)にします。(引用:石田・鈴木,2023)

中日新聞で紹介されました(2019年8月18日)。(HP掲載については中日新聞社から承諾をいただいています)


資料提供 算数・数学 グループを活かした授業の手引き:理論と方法(2025年4月)

注)これまでアップしていたグループを活かした協同解決型の授業の理論と指導方法:算数・数学−理論と指導方法−(2024年4月増訂版)を大きく改訂し,足場づくりのためのグループ学習やグループトークの理論と方法,グループ学習の評価や意識調査の方法や様式を掲載しています。

なお,岡崎市の先生方は本稿のグループを「チーム」と読み替えてください。

算数・数学 グループを活かした授業の手引き:理論と方法(2025年4月)


各章ごとに掲載します。

第1章 グループ学習の効果

<第1章の内容>

ペア・グループ学習の効果

グループ学習の問題点と改善の視点

グループを活かした授業の基本的な考え方



第2章 学習意識,スキル

<第2章の内容>

グループ学習の学習意識

ペア・グループ学習を支えるスキル(社会的スキル,対話のスキル,発言のスキル,説明・聴くスキル)

説明・聴くスキル



第3章 グループ学習の理論と方法

<第3章の内容>

グループの編成,運営,話し合いの進め方

グループ学習の枠組み

協同解決型のグループ学習

足場づくりのためのグループ学習

グループトーク

グループ学習の効果を高める手立て,教師の配慮事項

ペア学習

各学年で目指すペア・グループ学習の姿(算数)


第4章 グループを活かした全体交流

<第4章の内容>

全体交流,グループ間交流の方法

全体交流の進め方(主に算数・数学)


第5章 グループ学習の自己評価,意識調査

<第5章の内容>

グループ学習の自己評価(評価用紙添付)

グループ学習に対する児童生徒の意識調査(調査様式添付)

概要版 算数・数学 グループを活かした授業の手引き:理論と方法

  「算数・数学 グループを活かした授業の手引き:理論と方法」(2025年4月)の概要版です。この資料は校内研修や講演の際に配布しているものです。

対象の文書はありません

グループ学習における児童生徒の目標設定・評価の方法

主体的で協同的なグループ学習になるよう児童生徒がグループ学習の目標を設定し,評価(個人の評価,グループ評価)する方法と目標設定・評価表の様式を下に示します。参照・活用される場合は引用を明らかにしてください。

なお,この資料は「算数・数学 グループを活かした授業の手引き:理論と方法」にも掲載しているものです。

グループ学習に対する児童生徒の認識等の調査の方法

 グループ学習に対する児童生徒の認識や動機づけ等の調査の方法(調査項目)と調査用紙(質問紙)を下に示します。参照・活用される場合は引用を明らかにしてください。

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鈴木研究室
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