4月23日(土)13:30より今年度、最初の第1回セミナーを実施しました。
- 公開日
- 2022/04/30
- 更新日
- 2022/04/30
社会連携
2022年4月23日(土)13:30より今年度、最初のセミナーを実施しました。
講師として、本研究所フェローの木村 芳博先生をお迎えし、「年度当初の学級づくり、授業づくり 〜初任・少経験者、初心に返れる人〜対象」として行いました。
今回のセミナーには、年度はじめの忙しい折にもかかわらず、23名の参加がありました。その中には、この春、本大学を卒業し、教職に就いた先生の参加もありましたが、多くの方は、年齢や経験年数にかかわらず、“初心に返れる人”として参加されました。
冒頭、講師から「年度当初の学級づくり、授業づくりをどう進めるか!」というテーマが明示され、セミナーが進められていきました。
最初のアイスブレーキングとして、「穴埋め共通漢字クイズ」を全員で考える中で、キーワードとして、「教室づくり」に欠かせない『根本』、『信頼』という言葉の確認がされました。
4月当初、子どもたちは、教室で出会う先生のことを「信用はしているが、まだ信頼はしていないのではないだろうか?」との問いが示され、「信頼される教師になるためには、どんなことを考えなていかなければならないか!」を各グループで協議し、学び合いに入っていきました。
1.「学級」「授業」<教室づくりの視座>
〇子どもの信頼をつくりあげるための『つ・み・き』
=「つ/伝える」・「み/観る」・「き/聴く」の大切さ
〇「学級づくり」は人格づくり、「授業づくり」は学力づくり
〇人格づくり=「自律、受容」 学力づくり=「意欲、変容」
2.「学び合う学級づくり」の視点
〇「3R」の視点を持ちたい
Rule(ルール) Relation(リレーション) Role(ロール)
〇三つのRはどんなことを狙おうとしているか?
・Rule(ルール)規則、規律、約束 ➡「安心」づくり
教室での約束、今日のめあて、学級目標
・Relation(リレーション)関係、影響、集合 ➡「繋がり」づくり
特別活動、リクレーション、諸問題解決
・Role(ロール) 役割、行動、期待 ➡「有用、肯定感」づくり
小集団、運営組織、分担、評価
〇学級目標に注目したい!
木村先生が担任をされていた頃に見かけた「学級目標」の実例紹介があり、学級目標そのものの「考え方、捉え方のポイント」について、グループで協議を行いました。その後、木村先生からは、「意図的」「意識化」「柔軟性」の三つのキーワードによる、まとめがありました。
休憩で情報交換をした後
3.「学び合う授業づくり」について
〇学び合う学びの理念
保障(全ての子どもが学びに参加する) =主体的な学び
共生(仲間と聴き合い、教材とつながる)=対話的な学び
探求(課題の質を高め、背伸びをさせる)=深い学び
「学び合う学び」の理念が「アクティブラーニング」の視点とリンクしている。
〇学び合う学びの授業づくりの場面として/「デ・コ・リ」
授業前「デザイン」構想・計画 =教材研究、めあての設定、指導の流れ
授業中「コーディネート」調整・進行
=マネージメント、ペアやグループ、学びの作法
授業後「リフレクション」内省・振り返り
=自己評価、子ども評価、授業協議会
4.「授業づくり」の学び方、作法
小学校3年国語「モチモチの木」の授業ビデオ(抜粋)を視聴し、「教師の出方や指導と子どもたちの学びの姿から、どんなことを学ぶことができたか?」をグループで協議。各グループの学びを共有しました。
木村先生からは、学びの作法を教えることで、子どもには「安心感」「共有感」「包摂感」が生まれ、学びの継続・向上につながるとの話がありました。
5.学び合う教室づくりで「心しておきたいこと」
授業や学級集団づくりで、四月当初に教師が心しておきたいキーワードとして、「誠意」「向上心」「利他の心」をあげ、説明されました。
年度当初では、手探りの中での実践となることが多くあるが、本日提案した視座や視点、理念や場面などをもとに、「教室づくり」をスタートさせていってほしい、と締めくくられました。
*参加された方からの振り返りを紹介します。
◆学級目標は、今年度、子どもの意見を聴きながら掲げることができました。その分、普段から学級目標を意識させることができる。そして、自分も意識していくことが学級目標を掲げる意図につながると感じました。
◆国語の授業では、なかなか「学び合い」というものが分かっていなかったが、今日のビデオを見せていただいたことで、少しやり方が見えました。自分の中の引き出しがまだまだ少ないので、これからもっと増やしていきたいです。
◆学び合いの作法について、自分が知っているつもりになっていたんだと、改めて思い反省しています。残念ながら、日々の授業の中で、学び合いの作法を学ぶ機会は非常に少ないです。
◆学び合い=コの字、市松模様の座席、ペア・グループという言葉しか浮かばない先生が多いのではと思います。教師が学び合いの基本をもっと学習しなければ、実践に活かすことは難しいのかなと思います。若い先生方の積極的な参加を望みます。自分も声をかけていこうと思います。ありがとうございました。