1月18日(土)13:30より1月 学習講座を実施しました。
- 公開日
- 2025/03/03
- 更新日
- 2025/03/03
社会連携
1月18日(土)13:30~15:30に、201教室において実施しました。
今回は、愛知文教大学の卒業生であり、愛知県立高校の国語教員の方に模擬授業を行っていただきました。高校側の都合により、授業者の氏名は公表できませんでした。
今回は、少経験者の先生が3名、愛知文教大学の学生が4名、授業者、コーディネーターを含め9名の方です。授業者と共に、参加者が共に学び合う会となりました。コーディネーターは、学び合う学び研究所のフェローである栗木智美先生です。
高等学校の国語教材「水の東西」の模擬授業を通して、生徒が意欲的に取り組むことができる授業について学びを深めました。「水の東西」は、劇作家で評論家の山崎正和さんが書いた文章で、東洋の代表として鹿おどし、西洋の代表として噴水を取り上げています。二項対立を通して、日本の文化の特徴を学習します。
スケジュールは以下の通りです。
第1部 模擬授業の実践
〇 授業者より
〇 模擬授業「水の東西」を受ける
- 休 憩 -
第2部 学びの共有
〇 グループでリフレクション
〇 全体で学びを共有する
〇 授業者からのリフレクション
○ コーディネーターからのリフレクション
○ 模擬授業実践
模擬授業の最初に、様々な形の「○○の東西」を考えさせました。甘み(スィーツ)の東西、お酒の東西等、様々な東西を考える導入です。
次に、鹿おどしの文と、噴水の文を本文より探し出して付箋紙に記入します。これは、個人作業でした。次にグループ活動として、大きめのワークシートの右側に鹿おどし、左側に噴水の事柄に分けて貼り、なぜそのように貼ったかをグループのメンバーに説明をします。
次に3人のうち1人が残って1分間で説明を行い、2人が他のグループに行き説明を聞きます。説明者は交代して、全員が行います。
最後に振り返りをグループで行いました。
- 休 憩 -
第2部
◯栗木先生による学びの共有の時間です。受講生全員が、グーグルフォームに記入した振り返りを共有しました。それをもとにグループで話し合いののち、全体での話し合いになりました。
・付箋に書いて貼ることについては、書くことにより、記憶でき、付箋の順番を変えることができる。
・他のグループの人たちに発表することで、グループでの話し合いのときに、一生懸命聞くようになれる。
・他のグループの意見を聞くのは、全部のグループを回るのに時間がかかりすぎるのではないか。
・付箋に書くことで、文章から切り取られてしまうので、文章全体や行間を読み取ることが難しくなるのではないか。
・グループでの学びの成果はあるが、任せっきりにしてしまう生徒がいる。最初は2人から始め、3人から4人と、人数を増やして、細かく段階を作る必要がある。
・普段授業をしていて気づかなかったが、模擬授業を受けて、意外に先生の顔を見ている時間が長いということに気がつきました。
・できない子は、モチベーションが低くなっているので、その子が活躍できるような授業を目指す。子どもを主体として誰もの学びを保証する。
・授業の導入が難しいと感じているが、本日は、楽しみながら導入を受けることができた。
・分からないことは、生徒は言えないので、教師があらかじめ予測することが必要である。教師は、分からないままにしてはいけないと思う。
○栗木先生から文学と説明的な文章の違いについて、またそれぞれの指導についてのお話がありました。
・文学は感じること、説明的文章は知る楽しみである。その文章を読んでおもしろいと感じることが大事である。説明的文章に興味をもたせるためには、生徒が疑問をもつことが大事である。鹿おどしとは、何だろうと思うことが大事である。それは、一人一人違っていて良い。そこが個別最適な学びである。
・教科書会社により、「水の東西」の目標が異なっているので、色々勉強して欲しい。しかし、1年目、2年目は、指導書通りでよい。5年目、6年目は様々な指導法を探って欲しい。
・教科書には一部が掲載されているので、指導をする前は、必ずもとの書籍にあたって欲しいです。「水の東西」では、日本が良いと言っているわけではないことを理解して指導して欲しい。
○模擬授業の授業者からです。
・毎時間アンケートを行なっている。プリントを作ってくださいというアンケートから、プリントを作ったことがある。
・「水の東西」では、二項対立の学習であったので、最終的には二項対立の文章を書かせるようにしたいと思っています。
・高校の授業では、まず自分一人で解く時間を大切にしています。グループ活動も必要ですが、自分で考えることが大切だと思います。
○参加された方からの振り返りを紹介します。
・文章を読まざるを得ないような活動が多くあり、子どもの意欲を高められるような授業作りが重要だと思いました。
・授業を考える上で、誰をイメージして作るのか、というのが重要な視点であると学びました。どういった生徒に、どんな力を付けさせたいかを明確にし、授業でのワークを臨機応変に対応していく技術が求められているのだと実感しました。
・「自分だったらどうするか。」という視点。私は今まで他者から学ぶときに、そのやり方いいなや、なるほどなど、そういう風にして自分の中に取り入れた気がした。しかし、今回グループで話す中で最初に挙げた視点を学び、自分事に置き換えて初めて解る、学んだと言えるのだなと気付かされた。
・栗木先生が仰っていた、説明的文章と文学的文章の授業の違いが大変勉強になりました。特に、他の学校へ授業を見に出かけても説明的文章を扱った授業実践は見たことがなかったので、「疑問をたくさん見つけるようにする」というお話がとても勉強になりました。
・久しぶりに授業を受ける立場になり、教師側の空気感や発問の仕方、導入の仕方の重要性を改めて実感しました。子どもたちへの向き合い方を見つめ直し、来週から子どもたちと接していきたいです。
・国語が苦手な子でも国語を好きになれるような授業をされていて、いつか現場に立った時にあのような授業をしたいと思いました。付箋に貼っていくのは面白い発想で、子どものことを考えて熱心に取り組まれている先生はすごいと思いました。ありがとうございました。
・模擬授業を受けてみて、実際にはどんな生徒がいて、何を学ばせたいのか、ということがはっきりと伝わってくるような軸がぶれない授業だったと感じました。また「二項対立」の構造を理解させるために、導入からあらゆる部分に工夫がなされており、難しい説明文でもすんなりと理解することができましたし、何よりも楽しかったです。
また、授業の中で行ったワークのなかで、お互いが説明し聞き合うというものが特に印象的でした。実際教室でやるには時間的な問題が残るものの、聞くこと話すことの両方を学ぶことができるだけでなく、全員が参加することによって授業に対しての姿勢にも効果的だと思います。
・全体的にとても深く学べたと感じる。とても楽しく面白かった。グループワークの仕方や話し方、ワークシートの使い方など、参考になる部分が多くあった。また、改めて文学と説明文の違いについて知れて良かった。3人の小学校の先生からも実際の現場を交えながら、話を聞けて非常に自分の考えが広がった。今回学んだことを、介護体験や教育実習、先生になってからなど様々な場面でいかしていきたい。ありがとうございました。
・現役の先生方の生の声が聴けるのは経験のない自分にとっては良い刺激になりました。自分が教員になって3年経った時に、今日の先生のような良い授業が出来るとは到底思えないくらい勉強になった部分が多く、理想の教師像を深めるきっかけにもなりました。
土曜開催で足を運びづらいこともあり、参加する意義を見出しにくい部分は確かに存在するかもしれません。しかし、教員を目指すからには何が自分の糧になるかを取捨選択するのではなく、自身の経験全てが成長するきっかけになるのだという姿勢で様々なことにチャレンジした方が良いと感じました。
・小経験者(あるいはまだ教員を経験したことのない学生)同士でグループワークをしましたが、それぞれの感覚や価値観を擦り合わせる過程がとても楽しかったです。また、模擬授業を受ける過程を通して、児童生徒の目線から授業を見ることができ、改めて授業について考えることができました。ありがとうございました。