日記

グループ活動の進め方が課題

公開日
2016/06/29
更新日
2016/06/29

仕事

昨日の日記の続きです。

1年生の社会科の授業は、なぜパルテノン神殿がつくられたのかを考える場面でした。
子どもたちはグループで活動していますが、話し合いが成立していないグループが目立ちます。男子同士女子同士で並んでいるため、男女でのかかわり合いがほとんどありません。黙って座っているだけの子どももいれば、逆にテンションが上がっている子どももいます。ペンを持っている男子だけでまとめを書いて、女子は黙って見ているグループもありました。授業者はグループの間を回って個別に話をしていますが、全体を見ることができていません。そのため、かかわりを促すといった対応がなされませんでした。全体の状況を把握することを優先してほしいと思います。

グループごとのまとめを黒板に貼って、発表します。授業者はメモを取る準備をするように指示し、次に発表する子どもを前で待機させます。メモを取ることが大切ならば、次の発表者からその機会を奪うことは疑問です。ちょっとしたことですが、こういうところも気をつけたいことです。
メモを取ることを指示したために、子どもたちは発表者の話を聞くことよりも黒板に貼られたまとめを写すことを優先しています。メモを取るとはどういうことかの指導も必要でしょう。

この課題を解決するための足場が子どもたちにあったのかが気になります。根拠となる具体的なものがありません。この課題で子どもたちに何を考えさせたかったのかがよくわかりませんでした。国家の成立、その必要性、国家を維持するために必要なことなどをこの課題を通じて考えさせたかったのでしょうか。であれば、この時代のギリシャ都市国家の周辺状況をまず整理する、させることが必要だったと思います。

国の象徴といった言葉が出てきたグループもありました。ここに焦点を当てて話を深めることができればよかったのですが、時間切れでした。
発表を全部のグループに順番にさせる方法もありますが、パネルにまとめてあるのであれば、まずそれを眺めて共通の考えとグループ固有のものとに分けることから始めるというやり方もあります。共通のものをまず取り上げ、そのことについてどこかのグループに発表させます。必要に応じて他のグループには付け足しをさせます。続いて、グループ固有のものについて意見を聞くのです。これによって同じことを何度も発表することが無くなり、授業者が全体の流れをコントロールすることで、発表の時間をかなり節約できます。大切なことが出てくれば、そのことを焦点化してもう一度相談させる時間をつくりだすこともできるはずです。この授業であれば、「国家の象徴」についてどういうことか、子どもたちに考えさせる時間をとるとよかったでしょう。

グループの課題の与え方、支援の仕方、発表のさせ方、全体での焦点化などが、この学校の課題の一つだと思います。このことについて先生同士で授業を見合ったり、相談したりして学び合ってほしいと思います。

この日は、授業を見た13人のうち午後から出張のあった1人を除いて、全員とお話しすることができました。最後の方の方とお話しするのがずいぶん遅くなってもうしわけないことをしました。遅くなった理由の一つに、多くの先生から授業に関する質問をいただけたことがあります。日々の授業の中で出会う場面についての具体的な質問が多かったのはうれしいことでした。授業をよくしたいと日ごろから思っていることがよくわかります。目の前の授業、子どもたちと真剣に向き合っていることがよくわかるからです。
素直で前向きな先生ばかりですから、次回の訪問までにきっと大きく進化していると思います。次にお会いするのが楽しみです。