学校の伝統はだれがつくるのか
- 公開日
- 2010/05/24
- 更新日
- 2010/05/24
独り言
何年も同じ学校と関わっていると、いろいろな取り組みとその後どうなっていくかを見ることになります。
新しい校長になり、新しい取り組みがされる。それがうまくいっても、何年か経ち次の校長になり、それが何のために始まったのかも忘れ去られ、形骸化されて、やがて消えていく。そんな取り組みもあれば、何十年と続くものもあります。伝統と呼ばれるものです。
伝統となるものと消えていくものの違いは何でしょう。
たとえ校長や教員が言い出したものでも、伝統となるものは必ず教師以外の力がそこに介在しています。
一番は子どもたち自身が、次の世代に伝えていくことです。子どもたちがその価値を認め後輩につないでいくことが、伝統を作り出していると思います。単なる打ち上げ花火ではなく、子どもたちの中にまた来年も、自分たちが卒業していなくなっても続けたいと思うものである必要があります。
もう一つは地域の力です。学校で行われていることを地域が認め、ずっと続いてほしいと願えば、たとえ校長や教員がすっかり入れ替わっても伝統として残っていくと思います。その前提となるのは、地域の方が学校でなにが起こっているかを知ることです。学校広報が大切であるといわれる理由の一つです。
どの学校にも素晴らしい取り組みがたくさんありますが、伝統となって継続していくものはごくわずかです。
学校に関わらせていただく中で、新たな伝統が生まれる時間を共有できることを楽しみにしています。