教科を好きになる
- 公開日
- 2010/10/18
- 更新日
- 2010/10/18
独り言
若い先生に、「どんな授業をしたい」「子どもたちにどうなってほしい」という質問をよくします。最近よく聞く答えが、その教科を「子どもが好きになる」です。
まず、興味関心を持ってもらうことが第一歩。
好きになれば勉強をするから力も付く。
このように答える先生の授業を見て気になることがあります。
それは、どうもその「教科を好きになる」ではなく、その先生のその「教科の授業を好きになる」を目指しているように見えることです。
雑談やクイズで盛り上げる。
物を作ったり、作業が多い。
子どものテンションが上がる場面が多い。
考える場面が少ない。
説明は先生が面白おかしくする。
こんな特徴があります。
誰でも参加できること、誰でもできることを中心にすることで子どもは活動します。先生の話が面白ければ、確かに子どもは楽しそうです。しかし、これだけで本当にその教科を好きになるのかよくわかりません。おもしろいショーに参加して楽しんでいるとしか見えません。子どもが自分たちで考えて問題を解決する姿が見られないからです。自分で考え、「わかった」「できた」「そういうことか」と教科内容を理解して、またこんな課題を「考えたい」と思って初めてその教科を好きになったといえるのではないでしょうか。
好きなることで考えるという発想だけでは、子どもは考えません。考える場面が授業になければ、考える必要がないからです。自分で考える、自分で解決するという経験を積んで初めてその教科が好きになるのだと思います。
教科を好きになることと先生を好きになることは違います。楽しい、おもしろい先生になって好かれることは教師の目的でありません。その先生がいなくなっても、その教科を好きであり続けるような授業を目指したいものです。