結果の板書で何が起こるのか
- 公開日
- 2010/11/12
- 更新日
- 2010/11/12
授業ワンポイントアドバイス
前回のワンポイントアドバイス(何を板書するか)に関連して、結果だけを板書することについてもう少し考えてみたいと思います。
例えば、ワークシートの正解や数学の答えを板書した時、正解者にとっては答えの確認にしかなりません。すぐに○をつけて終わりです。一方手がつかなかった、不正解だった子どもは、黒板に結果しかないのでそれを見ても何故そうなったかはわかりません。この板書の内容を必要とする子どもが教室にいないのです。しかし、わからなかった子どもは不安なのでとりあえず板書を写します。写してもわからないのに。
そこで、このことに気づいている教師は説明を始めます。
正解を板書して、
「はい、こっちを見て」
「ノート取るのはやめて、あとで書く時間あげるから」
「説明するよ」
・・・
「はい、写していいよ」
結局、最後には板書を写す時間を確保しなければなりません。ところが正解だった子にとってはこの時間は写す必要がないので無駄になります。先生の話をちゃんと聞かずにノートを取った子どももすぐに終わります。多くの子どもが手持ちぶさたな状態にすぐになってしまいます。そこで教師は子どもをせかしたり、また写し終わっていない子どもがいても先に進んでしまったりします。写せなかった子は、次回からは説明中でも写すようになってしまいます。本当に説明を聞かなければいけない子が聞かない授業になっていきます。
板書と子どもの活動はうまく連動する必要があります。正解や結論、まとめが書かれた時点で子どもの思考は止まり作業に移ってしまいます。子どもの思考を促すような板書にしたいものです。