子どもが育つと教師も育つ
- 公開日
- 2010/11/16
- 更新日
- 2010/11/16
仕事
昨日は、中学校の授業研究に参加しました。
この学校のアドバイザーとして1年半余りが過ぎました。子どもたちの授業中に見せる姿がずいぶん変わってきました。柔らかい表情で、友だちと関わりながら授業に参加するようになりました。それと並行して先生方の授業研究での様子もずいぶん変わりました。子ども一人ひとりの発言や友だちとの関わり合い、子どもの変化のきっかけなどを実によく観察しています。検討会での話し合いも一人ひとりの学びの様子がきちんと語られていました。
この授業では、ずっと机にふせって参加していない生徒が後半起き上がって参加を始めました。私はその変化の瞬間を見落としていたのですが、観察していた先生がその前後の本人の様子と仲間の関わり方を詳しく報告してくれました。おかげで、その時何が起こっていたのかとてもよくわかりました。
このように先生方の子どもの事実をしっかり見るようになったおかげで、検討会で学べることもとても多くなってきました。
授業者は6年目の若手ですが、今回が今年3回目の提案授業です。回を追うごとに、子どもたちにこうなってほしいという思いがはっきりし、そのことを意識した授業づくりになってきました。うまくいくことばかりではありません。しかし、意識して組み立てているので、その結果をきちんと分析することで改善点もはっきりします。
この数年、学校として教師と子どもたち、子ども同士の人間関係をきちんと作ってきたことで、子どもたちの学びがうまく成立しなかった場面でも、その原因がどこにあるのかがとても考えやすくなりました。人間関係ができていないときは、そこが原因なのか課題や教師の働きかけが悪いのかがわかりにくいからです。
子どもが育っていくことで教師が学ぶことも多くなります。子どもが育つことが教師を育ててくれるのです。管理職の先生方も彼を温かく見守って、彼の進歩きちんと認めて励ましてきました。授業者は昨年までと比べて、子どもや同僚から学ぶ姿勢がとても素直になってきました。
検討会後も、この授業に関してまだ整理できていないことや疑問をたくさん私に質問してくれました。とてもよい内容で、授業者と一緒に私もたくさん勉強をさせてもらいました。
最後に「来年は異動するかもしれませんが、もし機会があればまた授業を見てください」と言ってくれました。このことが私にとっては何よりうれしい言葉でした。