グループ活動での聞き方の指導
- 公開日
- 2010/12/02
- 更新日
- 2010/12/02
授業ワンポイントアドバイス
グループ活動で子どもたちに話し合いをさせる場面をよく目にします。話し合いの基本は友だちの意見をきちんと聞くことですが、これができていないことがあります。グループ活動での聞くことの指導はどのようなことに注意すればよいのでしょうか。
まず大切なのは、話すことではなく、聞くことを意識させることです。
「今から、○○について話し合いましょう。必ず全員が自分の意見を言うようにしましょう」
このような指示の仕方をすると、自分の意見を言えば、役割は終わってしまいます。自分の意見を言うことばかりに意識がいって、友だちの意見はなかなか聞くようになりません。
「今から、○○について話し合いましょう。必ず全員の意見を聞くようにしましょう」
このような指示ではどうでしょうか。全員の意見を聞くことが目標ですから、自分が発言するだけでは終わりません。聞こうとする意識が出てきます。
もう一つ大切なことは、聞き方です。必ず話し手を見る。相手の話にうなずいたり、わからないことは聞いたりして反応する。このようなことをきちんと指導する必要があります。ところがグループで活動しているので、教師はなかなか個別に指導することができません。グループ活動の前に言葉で指導をしても、徹底することができないのです。
聞き方は、グループ活動の場面ではなく、全体の場で指導しておく必要があります。
「Aさんの考えを聞かせてくれる」
「Bさんいいね。ちゃんとAさんの方を向いているね。ほかのみんなもしっかりAさんを見てくれているね。じゃあ、Aさんお願い」
「○○です」
「なるほど、ありがとう。今、Cさんうなずいたね。反応してくれたね、いいね。それってどういうこと」
「△△です」
「なるほど、Aさんの考えに納得したんだ。あれ、Dさん首を傾けたね。それってどういうこと」
「Cさんの話がよくわからなかった」
「そうか、よくわからなかったんだ。いいよ、わからないことを教えてくれることはとってもいいことだね。Dさんのほかにもわからなかった人いるかな」
・・・
このように、全体の場で聞く姿勢や友だちの話に反応することの大切さを指導していくことで、グループ活動の場面でも聞く力がついてきます。
また、教師が子どもの発言にうなづくなど、聞く姿勢の手本を見せておくことも大切です。
グループ活動中には細かいことは指導できません。聞くことの指導に限らず、子どもたちがきちんと活動できるように指示を工夫することや、基本的な態度を全体の場で身につけさせておくことを大切にしてほしいと思います。