感情を話し合う
- 公開日
- 2010/12/03
- 更新日
- 2010/12/03
仕事
昨日は中学校の道徳の授業研究に参加しました。
ネットの掲示板の中傷記事にどう対応するかを考えるものでしたが、興味深かったのが、中傷記事を見てどう思ったかを話し合う場面で、子どもたちが負の感情をなかなか話そうとしなかったことです。紙に書かせると、ネガティブな言葉をたくさん書くのですが、グループの話し合いではなかなか口は出しませんでした。その理由として、多くの教師が参加するなかで、ネガティブな感情はよくないものだから口にしない方がよいと判断したことが考えられます。また、話し合うといっても感情なので、理屈や根拠を共有することはできません。理性的であろうとすれば、話し合いが成立しにくいことも考えられます。逆に、紙には負の感情を書くということは、ネット環境があれば、感情的な書き込みをしてしまうのかもしれません。
一方、他のクラスで同様の授業を行った時には、ネガティブな言葉がたくさん出てきて、発言を押さえなければならなかったそうです。無責任な感情の発表ですから、テンションが上がれば抑制が利かなくなるということでしょう。
このように、感情を話し合うこと、特にネガティブな感情はなかなか難しい面があります。感情そのものを問うよりも、どのような行動をするかを問い、その行動の原因となる感情を話し合うようにした方が、感情を口に出しやすくなるように思いました。
子どもたちが真剣に考えているからこそ、子どもたちの様子からいろいろな発見がありました。負の感情をどう表面化させ、どう向き合わせるかについて考えるよいきっかけとなった授業でした。