実りある指導案検討会
- 公開日
- 2011/10/05
- 更新日
- 2011/10/05
仕事
昨日は、愛される学校づくり研究会が主催するフォーラムで発表する国語科の指導案検討会に参加しました。授業者の学校の若い先生もたくさん出席してくれて、とてもよい雰囲気で楽しく進めることができました。
授業名人野口芳宏先生の授業を追試するのですが、ICTを活用するというのがテーマです。どうしても、ICTに引きずられそうになるのですが、授業の芯がぶれては困ります。うれしかったのが、授業者が教材を選ぶにあたって、ICTの活用を意識するのではなく、自分の教室の子どもたちが教材に対してどんな反応をするだろうかという視点を大切にしたことです。したがって、ICTについては、イメージすらはっきりしていません。そこで、まず、子どものどんな姿が見たいのかということについて多くの時間をとることになりました。
求める子どもたちの姿は、詩の朗読の場面なのか、解釈なのか。両方なのか。いろいろな考え、意見が参加者から出されました。最終的には授業者の思いで決まります。授業者は詩の持つ言葉の面白さを子どもたちに気づかせ、詩の解釈をもとに意識して朗読をすることを選びました。2つの場面がありますが、それぞれの場面で子どもたちの活動の姿がだいぶ見えてきたようです。
ここまで、授業が見えてくると、ICTをどう活用するかという懸案が出てきます。ICTなんかなくてもこの流れなら授業はおもしろいものになりそうです。ICTの使いどころがない、という結論が出てもおかしくありません。ここで、フォーラムの教科責任者の提案が見事でした。この授業にある要素を加えることで、詩の解釈と朗読をうまくつなげるのです。このこと自体は、直接ICTとはつながりません。しかし、要素を加えることで、当然時間が苦しくなります。問題点が明らかになれば、それを解決する手段としてICTの出番が出てきます。ここからは、どんどんアイデアが広がり、国語における新しい活用の視点を提案できるという確信を持てるところまで詰めることができました。本番の授業、フォーラム当日がとても待ち遠しくなりました。
教科責任者の先生は、この日のために野口先生の授業、著作を再度見直し、参加者のためにわかりやすく整理した資料を準備し、その上で新しい視点のための下準備も入念におこっていました。授業者の思いがあり、それに対する教科責任者のフォローがあったおかげで充実した会になりました。
最後に、参加した若い先生の感想を聞きましたが、検討会の内容からたくさんのことを学ばれたことがよく伝わりました。素直に学ぶ姿勢は、彼らが今後大きく成長していくことを予感させてくれました。休息なしの3時間の長丁場が苦にならない、とても楽しい時間でした。