授業者の成長が見えた提案授業
- 公開日
- 2011/10/13
- 更新日
- 2011/10/13
仕事
愛される学校づくり研究会が主催するフォーラムでの社会の提案授業の撮影にでかけました。教室に向かう廊下で子どもたちとすれ違うたびに、とても気持ちのよい挨拶を受けました。どの子も笑顔で、挨拶することが楽しくてしょうがないという感じでした。このような小学校に出会うのは久しぶりです。授業での子どもたちの活躍が期待されます。
授業開始前の子どもたちは、本格的な撮影機材を前に興奮気味です。このままの状態が続いたらどうなるのかと心配しましたが、起立の号令とともにざわつきはぴたりと止み、ほどよい緊張感となりました。きちんと学級規律が保たれていることを感じました。これなら大丈夫です。
前回の模擬授業(模擬授業は楽しい参照)の後、指導案をじっくり見なおしたのでしょう。無駄な部分が削られ、導入部分は実にスムーズに進みました。ここまで見ていて、気づいたことがありました。授業者の子どもの発言に対する受けが大きく変わっていたのです。
模擬授業の時点では、いろいろな発言を受容することができずに、否定的な返しをしたり、流れが止まってしまうことがありました。ところが、この日はどの子どもの発言もしっかりと受容的に受け止めていたのです。口で言うのは簡単ですが、指摘されてすぐにできるものではありません。この2週間、ずっと意識して授業をし続けたのだと思います。それにしても、大きな変貌でした。
授業者の受容的な態度に、子どもたちの意欲はどんどん高まります。授業前には眠そうにしていた子ども張り切って、先頭を切って手を挙げます。事前に予想していた以上に子どもたちは積極的に意見を発表し、ICTは必要ないのではと思うほどでした。しかし、ICTを使うことで、子どもたちの気づきが広がり、深まったのも事実です。子どもたちが興味関心を持って積極的に参加してくれたことで、より多くのことが学べたように思います。フォーラム当日に、この点を深める話を展開できればと思っています。
授業後、検討会を持つことができました。司会者の見事な取り回しで、すぐに授業の核心に話題が焦点化しました。子どもたちから想像以上のものがでてきたので、切り返し方によってもっと高いところに到達できるのでは、という視点での検討です。ベテランでも、とっさにそこまで対応するのは難しいことです。反省・課題というよりは、この授業の可能性を話し合ったというべきでしょう。もう1度チャレンジする機会があれば、もっともっと素晴らしいものになることでしょう。
校長や同僚から、授業者の進歩について温かい言葉が伝えられました。このような環境が授業者を大きく成長させてくれたのだと思います。わずか1時間足らずの検討会でしたが、実に中身の濃いものでした。
授業者のやりきったという笑顔と、二人三脚でこの授業を終始一緒に考えサポートしてくださったまとめ役の先生の、よくやったといううれしそうな表情がとても印象的でした。私も、若い先生の成長の瞬間に立ち会えた喜びを感じながら学校を後にしました。