日記

問題から授業を考える

公開日
2011/10/19
更新日
2011/10/19

教材研究

全国学力調査の問題が公表されました。問題制作者の意図が非常に明確で、これならば子どものいろいろな学力を知ることができる良問ぞろいと思いました。このような問題からはたくさんのことを学ぶことができます。どのようなことを考えればよいのでしょうか。

一つは、問題でどんな力を確認しようとしているかです。教師であれば解けるのは当たり前です。この問題を解くためにはどのような知識や力が必要かしっかりと見極める必要があります。そして、自分の教え子たちが、どのような解答をするか予想します。どのような誤答が出て、それはどうして出てくるのかを意識しなければなりません。こうした上で結果を見ることで教え子の実態、すなわち自分の授業が見えてきます。試験をすることの意味がここにあります。

もう一つ、授業という視点で見るともっと大切なことが、問題を解くための知識や力はどのようにすれば身につくのかを具体的にすることです。子どもたちがどのような活動をする必要があるのかしっかり見極めるのです。
たとえば、今回の全国学力調査の数学の問題に関数の定義がわかっているかどうかを確かめるものがありました。関数の定義を教師が1度説明しただけではまず解けないでしょう。いわんや、xとyの関係を式で示して、これが関数などといった間違えた説明で教えていれば話になりません。最低限、定義域から値域(数学用語にこだわる必要はないですが)という方向性、定義域の要素が一つ決まれば他方が決まるということを子どもたちの感覚で押さえておく。、その上で、どのようなものが関数であるのか、ないのかを具体的な例で判断して理解するような活動をしていないとなかなか正解は導き出せないと思います。問題を真剣に分析することでどのような授業が求められているのかを考えることができるのです。
これはどの教科でも同じことだと思います。

全国学力調査の問題だけでなく、良問はたくさんあります。問題を分析し、どのような授業が求められているのかを考えることも教材研究の大切な視点です。