日記

イベントの目指すべき姿

公開日
2011/10/31
更新日
2011/10/31

独り言

昨日は、私が関わっている中学校で行われた地域ふれあい学びフェスティバルを見学してきました。地域の方と学校が一体となって、イベントや体験講座、模擬店を運営し、多くの方に楽しんで参加しながら、学んでいただきたいというものです。

私が見学し始めてから8年目ですが、来場者数も増え、地域にしっかりと根付いたと実感しました。小学生の参加が多いのもうれしいことです。廊下に貼られている中学生の美術の作品を見て「すっげえー」という声も聞こえてきます。中学生がすごいと思えることは、自分が中学生になることに期待を持つことです。小学生にとってはよい刺激になっています。また、卒業生も何人も見ることができました。旧友に出会う、恩師に出会う、後輩に出会う。母校とつながりを保つよい機会になっています。

今年度は実行委員の希望者も増えたと聞いています。昨年と比べてよい表情の生徒がたくさん見られます。逆に、積極的にかかわる生徒が増えたためか、受け身的に仕事をこなしている生徒との温度差も顕著になってきたような気がします。同じことが地域の支援者にも感じられます。いろいろと規模が大きくなってきたため支援者の数も増えているようです。頼まれたので、手伝っているという方も増えたのか、やはり表情に差があります。先生方も皆さんしっかり働かれているのですが、同じく表情に差があるように感じました。このイベントの目指すものが何かをもう一度明確にする必要を感じました。

子どもたちはどれだけ人が集まった、どれだけ売り上げがあったという表面的なことに目がいきます。与えられた仕事を決められた時間勤めれば自分の役割は終わりという、義務でやらされている感覚の子どもも目立ちます。積極的な子どもたちも、自分が頑張り、充足感を得ることだけでなく、まわりの友だちを巻き込んでいくことにもっと意識を向けてほしいと思います。
教師もこのイベントを子どもたちの成長にどうつなげるという視点を再度しっかりと意識して事前にかかわる必要があるように感じました。

子どもたちは自分たちの活動が地域の方に喜ばれ、感謝されることを、地域の方は自分たちが子どもたちの成長を手助けすることを、教師はこのイベントを子どもたちの成長につなげることを目指す。そして、各々がそのことを実感できるように見える化していくことが大切です。
特に地域の協力者にとっては、自分たちが手伝ったことが子どもの成長につながったかどうかは見えにくいものです。このことを伝える努力が主催者側に求められます。

そんなことを考えなら様子を観察していると、焼きそばの模擬店の子どもたちがとてもきびきびと集中して仕事に取り組んでいることに気づきました。たまたま、やる気のある子が集まっているのか、焼きそばを焼くのが楽しいのかと思っていると、教頭からこんな話を聞くことができました。実は、前日の設営準備のときに、この焼きそば担当の地域の方が子どもたちの取り組む態度について厳しく注意をされたそうです。その結果、当日は見違えるような姿を見せてくれたのです。このイベントの目指すべき姿を教えてくれたような気がしました。

生徒全員参加の学校行事となって3年目です。一定の成果は出せたと思います。だからこそ原点に戻って、地域とかかわることで子どもたちが成長するという本来の目的達成のために、それぞれが何をすべきかをもう一度考える必要があると思います。そのためのヒントも見つけられたような気がします。
来年のレベルアップへの期待が高まった1日でした。