日記

子どもへの呼びかけを考える

公開日
2012/05/22
更新日
2012/05/22

学級経営あれこれ

「掃除をしっかりしよう」「身の回りの整理整頓をしよう」というように、子どもたちに呼びかけることがたくさんあると思います。4月当初はきちんとできていても、そろそろ中だるみをしてくるかもしれません。きちんとできるようにするためにはどのようにすればよいのでしょうか。

まず、子どもたちへの呼びかけが、具体的にどのような行動をすればよいのか明確になっている必要があります。「掃除をしっかり」とは、具体的にどのようなことか客観化しておく必要があります。子どもによって「しっかり」の内容は大きく違います。教師が考える「しっかり」と子どもの考える「しっかり」のずれを埋めておくのです。(目指す学級の姿を具体的にする参照)
また、「しないさい」と命令するのではなく、「しよう」と促すことも大切です。命令形に慣れていくと、命令されなければ動かない受け身な子どもになっていきます。
そして、呼びかけるときに大切になるのがそのタイミングです。できるだけ、その行動と近いタイミングで話すのです。給食後に掃除をするのであれば、その直前、給食が終わった後に呼びかけるのです。朝に話をしておいて、もう1度軽く念を押すというのもいいでしょう。こうすることで、よい行動を引き出しやすくなります。その上で、きちんとできたことをほめるのです。初めのうちは「うれしい」「ありがとう」といったIメッセージを多用します。できなかったことを叱るのではなく、できたことをほめることが大切です。ほめることでよい行動を強化するのです。

往々にして、掃除がきちんとできていないことに気づくと、できるだけ早く修正しようと、その日の帰りの会で掃除の悪かった点を指摘し、明日はしっかりやろうと呼びかけてしまいがちです。大切なのは次の行動です。言われたことは時間がたてばどうしても意識から薄れ、そのときはちゃんとしようと思っていても、次の日には呼びかけられたことを忘れて行動してしまいます。その結果、怒られたりすれば嫌な気持ちになります。こういうことが何度かあると、教師からの呼びかけが負の気持ちに連動するものになってしまい、教師の呼びかけを嫌だなと感じ、逆の方向に行動してしまいます。

また、整理整頓のように、そのための特別な時間が取られていないことであれば、気をつけようと言って終わりにするのではなく、できるだけすぐに実行させます。その場で、机やいすを整頓したり、まわりのゴミを拾ったりさせるのです。言いっぱなしで行動の確認を取らないと、教師の言葉が実効のないものになり、「聞き流しておけばよい」と思うようになっていきます。できていなかったことに気づかせ、行動させ、できた(やった)ことを評価することでよいサイクルができていきます。

4月当初と比べて、掃除が雑になってきた、教室が乱れている。そのようなことを感じるようでしたら、ここで述べたようなことを確認して、修正を心がけてください。