日記

中学校で講演

公開日
2012/06/28
更新日
2012/06/28

仕事

昨日は中学校で講演をおこないました。先週見せていただいた授業をもとに、言語活動を活発にするためのヒントをお話させていただきました。

言語活動を活発にするということは、子どもたちの活躍の場をつくることにつながります。この活躍という視点で子どもたちの活動をとらえると、大切になるのは、他者に認められること、他者の活動に影響を与えるということです。子どもの発言を評価して、その言葉を活かすことが求められます。
子どもの発言内容にかかわらず、教師が自分の言いたいことを一方的に説明すれば、子どもは自分の発言が認められたとは感じません。このようなやり取りを続ければ、次第に積極的に発言しようとはしなくなります。また、教師が発言をまとめれば、教師のまとめを聞くことが一番効率的な学習になります。それでは、友だちの発言を聞くようにはなりません。「今の意見、なるほどと思った人」「同じような考えの人いる」と子どもの発言をできるだけ活かそうとすることが必要です。
子どもが発言してくれない大きな原因は、教師が正解を求めるからです。正解を求められれば、自信がないと答えられません。わからない子は発言することができません。そうではなく、「どんなことを考えた」「何をやってみた」「困ったことない」と過程を聞くようにすれば、どの子にも発言の機会を与えることができます。また、安心して発言できる雰囲気をつくるためには、どんな発言でも「なるほど」と認め、たとえ間違いでも友だちの発言を聞いて修正する機会を与える。うまく言えなくても「まわりの人助けてあげて」と失敗で終わらせない、最後は必ずほめる、認められるようにする。このようにすれば、子どもの発言は必ず増えていきます。
また、教師は時間がないことを理由に一方的な説明をする傾向があります。しかし、教師が説明すればそれでわかるようになるわけではありません。子ども同士が互いに言葉を足しながら、たどたどしい説明をする方がよくわかることもあります。自分の言葉で話すことで、理解できることもあります。授業を見ていると、多くの場合一人の子どもの発言に対して、教師はその3倍以上の時間しゃべります。その時間を減らせば、多くの子どもに発言の機会を与えることができるのです。一方教師は、説明はするのですが、子どもが理解しているか確認をしない傾向があります。「わかりましたか?」「はい」では、確認になりません。子どもに出力を求めなければいけないのです。

このような内容をできるだけ具体的な場面をもとに話させていただきました、うまく伝わったでしょうか。先生方が子どもとの接し方をほんの少し変えるだけで、この学校の子どもたちは大きく変化すると思います。積極的に学ぼうとする姿を見せてくれると思います。先生方がその一歩を踏み出す勇気を持ってくれることを願います。