説得と納得
- 公開日
- 2012/07/27
- 更新日
- 2012/07/27
授業ワンポイントアドバイス
子どもに理解させる場面で、教師はわからせたいと強く思うと、どうしてもくどく説明をしてしまいます。この説明が、子どもからすると「説得」されているように感じることがあります。「わかって」「わかりなさい」と外圧をかけられているのです。そうではなく、自分自身で「なるほどそうだったのか」と「納得」する必要があります。子どもが納得するにはどのようなことを意識すればいいのでしょうか。
まず大切なのは、自分で確かめることです。
・図を描いてみる。図を切り取って動かすといった操作活動をおこなう。
・類似の問題を解いてみる。
・資料を調べさせて、その資料をもとに考える。
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とはいえ、それだけでなかなか納得できないこともあります。そこで大切になるのが子ども同士のかかわり合いです。
・まわりの子どもと確認する。
・グループで相談する。
・全体の場で友だちの考えを聞く。
・友だちの考えをもとに自分の言葉でもう一度説明する。
教師にとっては残念なことかもしれませんが、教師の理路整然とした説明よりも、互いのたどたどしい言葉を積み重ねる方が子どもにとっては納得できることが多いのです。教師が説明していて納得できていない子どもが多いようであれば、繰り返し説明するのではなく、一度子どもに返して、子ども自身で確かめさせる、子ども同士をかかわらせるとよいでしょう。教師の代わりに子どもに説明させるのも効果的です。
子どもに理解させる場面では、教師の説明が「説得」にならないように意識し、子ども自身がなるほどと「納得」できる活動を入れるようにしてほしいと思います。