日記

一人ひとりの活躍を意識する

公開日
2012/07/30
更新日
2012/07/30

授業ワンポイントアドバイス

子どもたちには能力差があります。興味を持っていること、得意な事も違います。一人ひとりの特性を活かして、できるだけ多くの子どもに活躍してほしいものです。そのためにはどのようなことを意識すればよいのでしょうか。

大切なのは子どもに応じた役割を与えることです。
たとえば、意外と活躍していないのはできる子どもです。
できる子どもはよくわかっているので、友だちの説明もあまり集中して聞きません。自分は解けるので、聞く必要性がないのです。一方、教師は彼らを指名すれば答えが出てしまうのですぐに指名はしません。それよりももっと低位の子どもに力を割かなければと思っています。彼らもそのことをよく知っているので、わかっていても挙手せずに自分で好きに時間を使っていることもあります。
ちょっと視点を変えて、できる子どもをうまく活かすことを考えてみましょう。その方法は、できる子どもには答を言うことではなく、みんなを納得させることを役割として与えることです。特に自分の考えではなく、友だちの考えを理解してみんなに説明することを求めます。あらかじめ、「あなたの役割は答を言うのではなく、考え方を説明してみんなに納得してもらうという、もっとレベルの高いことだよ。出番が来るまでちゃんと待ってね」と伝えておけばいいのです。教師ではなく、子ども同士が説明し合えるようになっていくと、低位の子どもをそれに伴って次第に理解できるようになっていきます。

説明などは苦手でも、計算の速い子どももいます。「式が立ったね、後は計算すればいいね。計算は○○さんの出番だね。お願いしようかな。いくつになる?」と○○さんに計算するという役割を与え、活躍させます。
漢字の得意な子どもがいれば、友だちが漢字の読みを間違えたら、「○○さん助けてあげて」とお助け係にします。
こうすることで、自分の出番がいつ来るかと集中して授業に参加します。

また、子どもを助手にするのも一つの方法です。
パソコンが得意な子どもには、セッティングを手伝ってもらったり、操作を手伝ったりしてもらう。
理科の好きな子どもは、実験の準備を手伝ってもらう。
・・・

子どもたちの興味や能力に応じて活躍させる場面はきっとたくさんあるはずです。教師がちょっと下がって、子どもたちの出番を増やすことを意識します。そのとき、「○○さんはこれが得意だから、お願いする」ということを学級全体に納得させることが大切です。学級全体がその子のことを認めているという雰囲気をつくるのです。もう一つ大切なのが、必ず「ありがとう」の言葉を活躍した子どもにかけることです。こういったことが子どもに自己有用感を与えます。

余裕のあるときに、一人ひとりの名前と顔を頭に浮かべながら、この子はどんなことが得意だったか、どんなことに興味があったかを思い出し、どんな場面で活躍させられるだろう、どんな役割を与えられるだろうと考えてみてください。この場面であれば○○さんが活躍できる、役割を与えられるというところが必ずあるはずです。少しでも多くの子どもが活躍できることを目指してほしいと思います。