日記

板書を写すタイミングをコントロールする

公開日
2012/08/23
更新日
2012/08/23

授業ワンポイントアドバイス

教師が板書をしているときに、ある子どもはノートに写す、ある子どもはじっと板書を見ている。子どもたちの動きがばらばらで気になることがよくあります。板書を写すタイミングは教師がコントロールしないと、板書を使って説明しているのに写している子がいたり、「では、写して」と指示した時には写し終わっていてだれてしまう子どもが出たりします。以前にも書きましたがルール化しておくことが有効な方法の一つです(ルール化する参照)。

原則は「教師が指示しなければ板書は写さない」だと思います。そうしなければ、教師が板書を使って説明しているときに、まだノートを写していて聞けない子どもがでてきます。このルールを徹底するためには、教師は板書に専念してはいけません。ときどき子どもたちの様子を見なければ、どうしてもノートを開いてしまう子どもは出てきます。「ノートを写すのはいつだった」「先生が写してと言わないのに写してはダメだよ」とやさしく注意して徹底させることが大切です。そうならないためには、「静かに先生が書くことを読んでいてね」「教科書の○○ページを読んでいてね」というように教師が板書をしている間にするべきことを指示しておく必要もあります。「今から書くことで一番大事なことは何か見つけてね。後で聞くから」と課題を与えることも効果的です。

板書の量が多く、後で写す時間が取れないときには、「できるだけ速く写してね。鉛筆の先から煙が出るくらい(有名な指示ですね)」「先生と同じ速さで書こう」というように速く書くことを指示します。教師が書き終わった後、全員が書き終えていないのに待ち切れずに説明を始めることも避けられます。こういうときにICTはとても有効です。素早く見せることで無駄な時間をなくすことができます。また、子どもが写すことにあまり意味がないのであれば、あらかじめ印刷しておいて後から渡してもよいでしょう。

また、内容によって素早くノートに写すことをルール化することもあります。「今日の課題はこれです」と言って教師が板書を始めると、すぐに全員が鉛筆を持って素早く写し始める学級があります。これは、「今日の課題」はすぐに写すということがきちんとルール化されている例です。何を素早く写すのか教師が明確にしておいてルール化するのも有効な方法です。

板書を写すタイミングを教師がコントロールするということは、自分が板書をしているときに子どもたちにどのような行動をとってほしいか明確になっているということです。どんな時に写してほしいのか、写してほしくないのかがはっきりしていればルール化も簡単です。また、指示も板書を始める前にきちんとできます。教師が板書を始めてから子どもたちの様子に気づいて、「写して」「写してはダメ」と指示をしているようではいけないのです。子どもたちが板書を写すタイミングを意識して、きちんとコントロールすることを心掛けてください。