現職教育で講演
- 公開日
- 2012/08/24
- 更新日
- 2012/08/24
仕事
昨日は中学校の現職教育で講演をおこなってきました。「授業で何が起こっているのか」と題して、先日見せていただいた授業の様子をもとに、お話させていただきました。
この市の先生方は講演等で雰囲気が硬い傾向があります。ちょっと構えてしまうのでしょうか。以前に私が住んでいた近くの学校なので、その頃に聞いた噂話も交えながら1時間の短い講演としてはまくらに多くの時間を使いました。先生方の緊張をほぐすと同時にどこにどう反応するかを見て、焦点化する内容を考えるためです。
準備していたのは、子どもたちの特徴や授業で気づいたこと、具体的にどのようなことをすれば子どもが変わっていくのかといった内容でしたが、子どもたちの特徴と授業で気づいたことを先生方と共有することに思い切って絞りました。
子どもたちは学力的には高いのですが、効率的に結果(正解)を得ようとする消費者的行動をとる傾向にあり、教師と距離を置いています。授業中に教師との人間関係を求めていないように見えます。また、子ども同士の関係も希薄に見えます。授業で友だちとかかわる必然性がないことが要因でしょうか。
教師が話をしても子どもの顔が上がらないが、板書は素早く写す。友だちの話は聞かないが、その後の教師の説明は確認する。自分にとって必要な情報を得ることのみを大切にしているように見えます。学力の高そうな子どもが授業に参加していないことが多いことも気になります。
その理由を子どもや家庭環境だけに求めるのではなく、教師の側にも原因はないのか見直してほしいのです。
バラバラな知識ではなく、問題解決の手段や知識と知識をつないで構造化するといったメタな知識、解き方を覚えて解けるのではない、知識をもとに見たことのない問題を解ける力といった、より高い学力を教師が子どもたちに求めているのか。
知識を(学校や塾で)与えられるのではなく、自ら獲得しようとすることを子どもたちに望んでいるのか。
子どもたちが互いにかかわり合うことで成長し、認められ、自己有用感を持ち、より高みに登ることを目指しているのか。
反応する子どもとその反応を全身で受け止める教師。他者の考えを聞きたいと思う子どもと、自分の考えを聞いてもらいと思う子ども。そんな姿を見たいと思わないのか。
結局は教師が求め、望み、目指さなければ子どもたちは変わりません。教師が見たい姿を思い描かなければ実現はしないのです。
このような話をさせていただきました。
最初は硬かった表情が柔らかくなり、次第にうなずくなどの反応をしてくださる方が増えてきました。先生方も子どもたちを変えたいと思っておられる。私はそう感じました。
今回は具体的にどのようにしていけばよいかは伝えられませんでした。また、一方的に話をされても理解できるものではないと思います。次回は実際の授業をもとに皆さんと一緒に考えるような研修にしたいことを担当の先生にお伝えしました。
少しずつでいいので、この学校の授業がよい方向に変わっていくためのお手伝いができればと思います。