日記

夏の研修を振り返って

公開日
2012/08/31
更新日
2012/08/31

独り言

多くの学校で、夏休みもいよいよ最終日になりました。今年もたくさんの研修を担当させていただき、多くのことを学ぶことができました。

その中でも印象的だったのが企業での研修です。昨日の日記にも書きましたが、参加者は相手の考えを聞いて自分の主張を変えることは負けだと考えているように見えました。対象だった方は就職で苦労した世代です。就職試験対策で集団面接などのノウハウを学んできたのでしょう。相手を否定はしない、しかし、自分の考えはしっかりと主張するように指導を受けてきたのかもしれません。他者より自分が優れているところを見せなければいけない。そういう脅迫観念があるのかもしれません。そのことが研修に影響していたように思いました。

先生方では見られない姿です。教師は他の先生と比較されることや、相対的に評価されることがあまりありません。他者の意見を素直に受け入れて考えを変えることが比較的素直にできるのかもしれません。しかし、競争意識があまり働かないのでぬるま湯になりやすいとも言えます。そこで、飴と鞭の教員評価制度が導入されつつあります。しかし、評価制度を変えることがよりよい方法なのでしょうか?
私の目から見ると評価制度を変えても、大きくは教師の意識は変わらないと思います。また、変わってほしくはありません。先生方が自分の業績を声高に主張する姿は想像したくありません。評価制度で解決する問題というよりもマネジメントの問題だと思います。
今までの制度化でも、教師集団のやる気を引き出し、成果を挙げている学校はたくさんあります。そのマネジメントの重要性とノウハウを管理職が共有することの方が大切なように思います。

企業の社員の特性と、教師の特性のどちらが好ましいかは一概に言えません。そのよさを活かしながら、よりよい方向に持っていくマネジメントをするだけです。
先ほどの企業の例であれば、チームや部門、最終的には会社全体で最適化される解答にたどり着くことが大切だ、それがだれの発案であるかといったことは大きな問題ではないという意識をもつことが重要です。一人ひとりがチームの中での自分の役割を意識して全体で最適化できるように行動することが大きなパワーを生むのです。

企業研修を見ていた上司の方から、「『提案力=聞く力』ということを再確認させていただくよい機会となりました」とメールをいただきました。この言葉の裏には、顧客の本当に願っていることを聞くことができれば、その情報をよい提案に変えていくことは社内のみんなの力を集めてできる自信があるということです。組織の力を信じているということです。この姿勢が全社に広がれば大きな力となるでしょう。
この発想は企業だけでなく、学校でも全く同様に成り立つことだと思います。
企業からも学ぶことはたくさんあることをあらためて実感しました。