アンケートの結果を予想する
- 公開日
- 2012/09/18
- 更新日
- 2012/09/18
独り言
行事や授業などについてアンケートを採る機会が増えてきていると思います。最近のアンケートは無難な回答を避けるため、「普通」「どちらでもない」といった真ん中の選択肢をなくすようになってきました。よいことだと思います。そういった質問紙の作成に知恵を絞ると同時にお願いしたいことがあります。それは、アンケートの結果を予想することです。
何かを意識して取り組んでいるから、その評価が知りたいわけです。問題点を見つけるためにもアンケートをおこなうのです。評価者と実施者の現状認識の違いを明確にするために、項目ごとにどのくらいのポイントになるかを予想するのです。年に何回か実施しているものであれば、どの項目が上昇するかを予想することは、実態をどれだけ把握できているかのチェックにもなります。
また、これから実施される行事のようなものであれば、何を大切にしようか、どこに重点を置こうかといったことを意識することになります。明確な目的意識をもって取り組むことにつながります。そのためにも、アンケートは早めにつくっておくとよいでしょう。
一般的に、アンケートの結果を予想すると低めの評価を予想します。予想を下回るのが嫌だからです。単に予想より高いからよかったと考えるのではなく、総合的に見ることが必要です。
たとえば、項目Aと項目Bをそれぞれ、3.5と4.0と予想したところ、実際には4.5と4.0だったとします。予想よりもよいか予想通りの評価だったのでよしとするのではなく、項目Bの方が高いと予想したのに、項目Aの方が高かったということに注目してほしいと思います。項目Bに力を入れたのに、結果としてはあまり効果がなかったのかもしれません。それとも、項目Aに関して何かよい力が働いたのかも知れません。その原因を考え次の行動にどう反映させるのかが大切です。
年に1度の行事のアンケートなどは、目標(予想)とアンケートの結果を比較することで、取り組みの評価が明確になり、次年度への取り組みに活かすことができます。
アンケートの結果を予想することは、結果をより真剣に分析することにもつながります。結果を事実として公表するだけでなく、その結果をどう分析し、どのように受け止め、どう対応していくのかを明確にし、評価者に伝えることが、評価者からの信頼につながります。
話は少しそれますが、アンケートの結果を数値化して棒グラフにしたもので、ときどきグラフの基準がおかしなものを目にします。たとえば「悪い」「やや悪い」「ややよい」「よい」の4段階をそれぞれ1から4に数値化した場合で考えてみましょう。グラフの基準が0になっているのです。基準を0にすると、真ん中は2になります。しかし、最低が1なのですから、実際には真ん中は2.5です。グラフは視覚的にはよい方にずれて見えます。よく見せようという意図がないのであれば、基準を1にしないと邪推されます。こういうことを避けるためにも、また分布をはっきりさせるためにも平均を棒グラフにするのではなく帯グラフで各評価の割合を見せるのがよいと思います。
アンケートを作成するときにその結果も合わせて予想することは、アンケートをより効果的に活用する事につながります。作成者だけでなく多くの方が予想することで、より多くのことが見えてくるはずです。ぜひ試してほしいと思います。