日記

力のある教師が尊敬されてほしい

公開日
2012/09/26
更新日
2012/09/26

独り言

日ごろおつきあいのある同世代の方は校長や教頭が多いのですが、一般の教諭の方も少なくありません。管理職になるより少しでも授業がしたい、子どもにより近いところにいたいという方が多いように思います。管理職になられても立派にこなすことができる力があるのに、あえて管理職の道を進まなかった方が何人もいます。

組織にとって管理職は責任の思い重要な仕事です。当然尊敬に値する方々ですが、管理職でなくても、素晴らしい授業、素晴らしい学級経営、学年経営で尊敬に値する方がたくさんいます。ところが、自分たちと同じ教諭の中に高い技術を持った方がいることに気づかずに、せっかくの学ぶ機会を見逃している方もいます。

以前ある教育長がおっしゃった言葉が思い出されます。

「管理職にはならなかったが、素晴らしい授業をする教師がたくさんいる。ところが、管理職でないということで、同僚からは軽く見られてしまうことがある。管理職でなくても素晴らしい教師がまわりから尊敬されるようにしたい」

なるほどと納得させられる考えです。私たちは、校長、教頭といったわかりやすい記号で判断してしまうことがあります。名刺の肩書で相手の対応が変わることもよくあります。企業では、営業職はたとえ経験の浅いものでも必ず何らかの肩書をつけます。そうしないと、私の担当は下っ端なのか、もっと上の人をよこせと言われたりするからです。一方、素晴らしい技術・技能を持った方をマイスター・名工として後進にその技を伝承する役目を与え、彼らが尊敬されるような仕組みつくっているところもあります。
学校という組織にとっても、管理職と同じく皆の手本となる教師の存在はとても大切です。肩書はなくても、そういう教師が同僚や保護者・地域の方から尊敬されるようであってほしいと思います。
彼らにスポットを当て、まわりから尊敬されるようにすることも、管理職の立派な仕事だと思います。

先日、子どもたちのようすを見て、担任の指導力がすごいと感心したところ、そばにいた地域の方が、「そりゃあ、○○先生だもの」と誇らしげにおっしゃいました。地域の方からも尊敬を集めているベテランの存在を感じることができました。校長も、若い人もその先生から盗んでいると思うよと話されていました。きっと意図的にその先生の素晴らしさを伝えているのでしょう。
また、ある校長は、授業の素晴らしさで定評のある「○○先生から学ぶ会」という立派な会を準備しているそうです。

組織にはいろいろな役割があります。それぞれが機能して初めて全体がうまくいきます。目立たないが素晴らしい仕事をしている人が評価され尊敬されることは、他の方のやる気にもつながります。組織としての力はそういうところから生まれてくると思います。