愛される学校づくり研究会に参加
- 公開日
- 2012/10/22
- 更新日
- 2012/10/22
仕事
先週末は愛される学校づくり研究会に参加してきました。今回は、前半に私の方から「最近の授業参観、指導から思うこと」と題して、お話をさせていただきました。
初任者、若手の授業を見て感じること、校内の研修をうまく活かして学校を変えるポイント、あとトピック的なことを話題にしました。ほとんどはこの日記で触れてきたことですが、事例から共通して感じることまとめてみました。
初任者に共通して感じることに、アドバイスを素直に受け入れる姿勢を見せるのですが、なかなかそれを実行に移せないことがあります。指摘されていることに具体的なイメージが持てていないからなのでしょうか。自分が受けてきた授業以外に手本とすべき授業を持っていないのかもしれません。また、子どもの視点でしか授業を見てこなかったため、よい授業の評価がずれているのかもしれません。子どもたちに「うける」授業を目指しているように感じる教師に多く出会います。よい授業を見ることとその授業のどこがよいかを知らせることが必要に思えます。そうであれば、初任者指導の中にこのような要素をしっかり入れることが求められます。あこがれの教師、授業像が持てるようなプログラムが必要なのです。
それに対して、経験年数3年目くらいの教師はぐっと伸びる率が高くなります。伸びる方の条件は、指摘を「素直」に受け入れて実行できることです。「素直」に受け入れて実行するということは、性格が「素直」ということもあるのですが、自分の授業の課題が見えていて、それなりに悩んでいることが要因として大きいように感じます。壁にぶつかり具体的にどうすればいいのか困っているため、指摘されたことをとりあえず試してみようするのです。3年経っても変わらない方は、自分ではとりあえず授業はできていると思っている、問題を感じていない方です。指摘されても必然性、緊急性を感じないために、それよりは部活動や、生活指導などの目先の仕事にエネルギーを使ってしまうのです。目指すべき授業像が明確でないため、自分のいたらなさに気づけないのです。個人で持てないのですから、組織として全員が共通して持てるようにしていかないとこういう方は変化していきません。学校として目指す授業像の具体化と共有が大切になるのです。
このような点からも、学校の研修体制はとても大切になります。効果的な研修を進めるためには戦略性が求められます。まず何を変えるべきかを明確にし、そのための何をするのかのステップを明らかにするのです。管理職や教務主任が明確な方向性を持って継続的に研修を進めていくことが必要だということです。とりあえず年何回かの研修のコマを埋めていくといった発想では、学校はよくなってはいきません。系統的、継続的な研修で、学校の進歩が見える形にしていかなければ、先生方の意欲も続きません。うまくいく学校に共通しているのが、管理職や教務主任が先生方の授業をよく見ていることです。リーダーが実態を知り、先生方の変容をポジティブに評価し先生方の進歩を見える化することが基本になります。
トピックとして、3つのことを話しました。
小規模校では、教師が個別指導に頑張りすぎてしまうこと。指示が通るので、指示が増えてしまい子どもの自主性が損なわれてしまうこと。これらのことは、少人数授業にもつながること。
若手だけではなく、ベテランの先生こそちょっとしたことで大きく進歩すること。
TTに関連して、最低限その日の授業のポイントや子どもの何を見るかを事前に共有しておいてほしいこと。また、子どもから出てほしい意見や考え、間違いが出なかったら、T2が役者になって子どもの代わりに発言するといった役割を明確にしてほしいこと。
後半は、来年予定されているフォーラムの午前の企画についての打ち合わせをおこないました。今回の企画は、校務の情報化を会員による寸劇で紹介しようというものです。言うのは簡単ですが、どのようなものにしていけばよいか手探り状態です。「できるかしら」としり込みしそうな企画ですが、さすがこの会のメンバーは違います。皆さん前向きに取り組もうとされます。当日は5つのグループに分かれての発表の予定ですが、それぞれの個性が感じられるおもしろい発表になることと思います。常に何か新しいことをやらなければ気のすまない某先生の思惑通りにことが進んでいくようにも見えますが、さて、この先どんなドラマが待っているのか!? 楽しみでもあり、ちょっとドキドキでもあります。当事者でなければ味わえない刺激に満ちた会です。このような会のメンバーであることに感謝です。
今、この記事をアップしようとしたころ、会員のメーリングリストに、今回の感想をブログにアップしたとの報告がありました。早速読ませていただきました。このように感想をいただけるのは、とてもありがたく、うれしいことです。具体的でありませんでしたが、私の考えに反論したいことがあったようにも書かれていました。ますますうれしくなりました。次回お会いしたときにこの話を聞かせていただくのがとても楽しみです。意見をいただければ必ず学びにつながります。このような反応をいただけるのもこの会の素晴らしいところです。学びを豊かにしてくれるメンバーと出会える素敵な会です。