授業アドバイスが活かされる学校
- 公開日
- 2012/11/02
- 更新日
- 2012/11/02
独り言
多くの学校で授業アドバイスをしていて感じるのが、アドバイスがすぐに活かされる学校となかなか変化しない学校があるということです。個別アドバイスであれば基本的に個人の資質の問題のはずなのですが、それでも学校としての差を感じるのです。
効果のでる学校は、教務主任や研修担当者が積極的に先生方とかかわっています。授業研究のときであれば、授業構想や指導案の検討など、授業づくりに関して最初の段階から相談に乗っています。事前の検証授業なども必ず参観してアドバイスをしています。また、同じ教科や学年でバックアップする体制をつくったり、研究授業を教科や学年の提案としてチームでおこなったりするように働きかけています。
全体研修ではなく個人への授業アドバイスのときでも、アドバイスの場面に立ち会うことや、その後の授業の変化を見てよくなった点をほめるといったフォローを欠かしません。また、個人の授業へのアドバイスだからといって一人にせずに、教科や学年全員で聞くように仕向けたりします。ペア、グループ、チームといった小集団でのかかわりを大切にしているということです。
授業を変えるということは、新しいことに挑戦するということです。それには勇気がいります。一人ではなかなか変える勇気は持てません。大丈夫と励ましてくれる人、一緒に挑戦してくれる人、そういう人がまわりにいなければなかなか一歩は踏み出せません。また、挑戦してもそのことを評価してくれる人がいなければ、続くものではありません。
授業で困っている先生には寄り添う人が必要です。先生同士が互いに支え合う関係が大切です。ですから、うまくいく学校は同時に複数の先生方の力量が向上します。互いによい影響を与え合っているからです。
こういう、うまくいっている学校は「雰囲気」がよいと評されることが多いようです。「雰囲気」という言葉は自然発生的な感じがします。しかし、そうではないのです。「雰囲気」は、それをつくりだすムードメーカーが必ずいるのです。うまくいっている学校は、教務主任や研修担当者が意図的にムードメーカーとして先生方に働きかけているのです。こういう動きを大切にしてほしいと思います。