算数・数学では、答がわかってからが大切
- 公開日
- 2013/12/25
- 更新日
- 2013/12/25
授業ワンポイントアドバイス
算数・数学の授業では答がわかることがゴールのように思っている子どもが多いように思います。そうではなく、答がわかってからが大切であることを教える必要があります。
自分の答が正解だった子どもは、自分はこの内容を理解できていると思います。しかし、本当に理解できているかどうかは、誰しもが納得できるような説明ができるかどうかでわかります。ですから、正解だった子どもたちに対しては、説明を求めることが重要になります。一方、不正解だった子ども、わからなかった子どもは解答を写して正解を得ることで、わかったような気になって満足します。そうではなく、自分が不正解だったところはどこか、わからなかったのは何がわかっていなかったかを意識させる必要があります。消しゴムは使わせずに、赤で間違えているところを直す、足りないところを書き加えるというように、間違いを残しておくことが大切です。教師が間違えたところをたずねたり、どこで困ったかを確認したりして、何が大切かを共有させることが求められます。正解そのものよりも、どうすれば正解か導けるか、どこに問題解決の糸口があったのかを考えることが大切なのです。再現性と言ってもいいかもしれません。似たような問題に出会った時に解ける力をつけることです。これは、正解だった子どもたちに対しても意識させる必要があります。たまたま解けた、解き方を知っていたから正解だったではダメなのです。
よく例に挙げるのが、図形の問題で補助線が必要になる場合です。解答は、補助線を引くところから始まります。しかし、一番大切なのは「補助線を引こうとすること」「どこに、補助線を引くか」です。解答を見ていくら納得しても問題を解けるようになりません。答がわかってからが大切なのです。
実はこのことは、自分で勉強できるようになるために特に必要な力です。問題集などを使って勉強する時、問題を解いたあと解答で確認をします。しかし、問題集の解答には先ほど説明した、問題解決の糸口は書かれていません。もちろん解説などが書いてあるものもありますが、自分で考えて自分なりのやり方を身につけていくことが大切です。解答を見て納得して終わりではなく、どうすればそのような解き方に気づけるのか、どこに注目すれば解決の糸口が見つかるのかを考えることが必要なのです。解答を見た時から解く力をつけることが始まるのです。このことを、日ごろの授業を通じて子どもたちにしっかりと意識させることが求められるのです。