若い先生方の成長について考える
- 公開日
- 2013/12/26
- 更新日
- 2013/12/26
独り言
仕事の関係で若い先生方にアドバイスする機会がたくさんあります。若い先生方をひとくくりにしてどうこう言うことは乱暴なことですが、感じることを少しまとめてみたいと思います。
・目指す教師像、授業像がはっきりしない
何を目指して教師になったのかを聞いても明確な答えが返ってこない。強い思い入れも感じない。授業に関しても、目指す子どもの姿が具体的になっていない。
・意外に素直
なかには表面的に聞き流す人もいるが、総じて指摘されたことは素直に受け止めてくれる。愚直に指摘されたことをやり続ける人の伸びは大きいが、ちょっとやってみてうまくいかなければそれで止めてしまう人も多い。
・コミュニケーションが表面的
同僚とそつなくかかわるが、ぶつかり合うほど深くはかかわろうとしない。他者から盗むことや、互いに学び合うことができない。仕事上で苦しいことがあっても、自分一人で抱え込んでしまう。
・考えることが苦手!?
授業を振り返ってどうすればいいのか問いかけても、なかなか自分で答を見つけることができない。答を教えてくれるのを待つ傾向が強い。ネットなどを使って指導案などを手に入れることはするが、自分で考えてアレンジすることが上手くできない。
・表面的な学力しかない
たとえ自分の専門教科であったとしても、教科でつけるべき力は何か、見方・考え方は何かといった教科の本質に迫る部分がわかっていない。与えられた問題を解くことばかりをしてきたように感じる。教科書を見ても、なぜこの問いがあるのか、なぜこの資料が取り上げられているのかといったことを考えようとしない。
だからといって、私がどうこうできるわけではないのですが、いくつか心がけていることがあります。1つは具体的な場面でどうありたかったのかを引き出し、では具体的にどうすればいいのかを一緒に考える。もう1つは、アドバイスを受けて変化したところがあったら、たとえ上手くいっていなくても変わろうとしていることを評価する。そしてあと1つ、困っていることを聞かせてもらい共有することです。
しかし、このようなことを意識して接しても、教科の本質にかかわる力はなかなかついていきません。個々の授業技術や子どもたちとの人間関係づくりといったものは着実にできるようになっていくのですが、こればかりは一朝一夕で身につかないようです。具体的な授業場面で話をしても、それは点でしかありません。一つひとつの教材すべてについて話をすることも不可能です。本人がいつもこのことを意識して教材研究を行い、時間をかけて地道に学び続けるしかないようです。ただ、もう1つとても有効な方法があります。それは、教材研をみんなで行うことです。特別な授業ではなく、ふだんから同僚と授業について話し合うことで、確実に力をつけることができます。とはいえ、学校現場を見ていてこのことが一番難しいようにも思います。授業について話し合う時間が現実にはなかなかとれないのです。若い先生が育つための環境も厳しいのです。
若い先生方の成長には、まわりの働きかけがとても大切に思います。昔のように自分で盗んで成長しろということは通用しません。かかわる先生方一人ひとりが彼らの成長を意識して接することをお願いしたいと思います。