日記

若い先生方のエネルギーを感じる

公開日
2014/12/17
更新日
2014/12/17

仕事

先日私立の中高等学校で授業アドバイスと打ち合わせを行ってきました。打ち合わせは、2学期も終わりに近づき、来年度に向けてどのように研修を進めていくかという内容です。

文部科学省がアクティブ・ラーニングを提唱しています。大学入試制度も大きく変化しそうです。しかし、そのような流れの中にあっても、特に高等学校の先生方は知識をいかに伝えるかという授業観からなかなか離れることができていません。自分の経験したことのないものに挑戦するには勇気を必要とします。特にそのような経験をせずに歳をとった方に、変われと言うのはかなり厳しい要求です。少なくとも具体的にどのようにすればよいのかを示す必要があります。また、当然のことですが、その必要性も納得しなければいけません。大学入試制度が明確になってから、他の学校の様子を見てからという日和見的な発想ではなかなか動き出すことができません。大学入試制度の変更に対応するためには、その制度の対象になる生徒が高等学校に入学する時点で準備を済ませている必要があります。あと2年しか準備期間はありません。先生方にその意識を持ってもらうことから始める必要があるでしょう。
2年間で、先生方の学力観、授業観を変えていくとともに、授業の目指すべき具体的な姿を共有できるようにするためには、積極的に新しい授業に挑戦し、互いに学び合うことが大切です。大きな所帯の学校ですからていねいに進めることが求められます。まずは、中心となる先生方でこの方向性を確認することから始めることになります。しかし、それと同時に迅速な対応をしていかなければ出遅れてしまいます。知恵の出しどころです。

この日もいくつかの授業を見ました。若い先生が変わろうとしてくれていることを感じます。本人はまだまだその成果を実感できていないかもしれませんが、子どもとの基本的な関係は確実によい方向に向かっています。教材研究やちょっとした工夫が活きるための基盤ができつつあると思います。焦らずに授業改善に挑戦し続けてほしいと思います。
新しいスタイルの授業に挑戦している英語の授業は、子どもたちの姿がとてもよくなっていることを感じました。絵の示している状況を英語で表現する課題にペアで挑戦します。互いに体をしっかり向け合って取り組みます。詰まった相手に対して、一生懸命説明する姿が見られます。互いに助け合う関係になっています。教室全体に安心感があふれているのが印象的です。
教師の代わりに子どもが前に出て、授業を進めます。絵で示される状況を指名された子どもが答えます。詰まった時は、まわりの子どもが助けます。しかし、内容が復習なので、わかるようになった子どもは集中力が落ちています。一問一答ではなく、せめて確認のために全員がリピートするといったことをする必要があると思います。下位の子どもたちということもあってこの時間は復習がほとんどでした。子どもたちは英語に対する苦手意識が薄れています。やればできるという、自信も育ちつつあります。毎時間1つでいいので、新しいことを習得するようにカリキュラムを工夫するとよいでしょう。適度なプレッシャーが子どもたちをより伸ばしてくれると思います。

この学校の学力観、授業観を変えてくれると期待しているのが英語科です。この日も授業後に、これからの英語の授業の方向性について、若手の先生が何人か相談に来てくれました。文法中心ではない授業へと本当に変化していいのか、悩んでいるようでした。今までのやり方を否定することはとても大変なことです。しかし、さすがに若い方は柔軟です。新しいスタイルに挑戦しようとしてくれています。彼らのエネルギーが教科の先生方を変え、それが全教科、学校全体に広がっていくことが理想です。
この先、まだまだ困難はあると思いますが、きっとこの学校全体がよい方向へ変わっていくと思いました。