研究室日記

「いのちの副教材を活用した模擬授業」セミナーに参加して(井上)

公開日
2016/08/13
更新日
2016/08/13

学生の学び

先日『「いのちの副教材」模擬授業セミナー』へ参加させていただきました。セミナーは、「いのちの授業」とは何かという話から始まり、「いのちの授業」を実践した模擬授業が行われました。この「いのちの授業」とは、小児がんを知ることを通していのちの大切さを学校で子ども達が考える授業のことです。「いのちの授業」の説明を拝聴し、実際に模擬授業を拝見させていただく中で、いのちの大切さを考えたり、授業を行っていくことについて学んだりすることができました。

 まず、「いのちの授業」の話をお聞きして印象的だった二点についてまとめます。一点目は、小児がんを知ることから始まるという点です。小児がんは子どもががんと闘うことであるため、大人はもちろん子どもも自分の人生経験と照らし合わせられます。したがって、誰もが経験したことのない死を少しでも近くに感じながら、いのちについて考えることができるのではないかと思います。

 二つ目は、死を認知するということです。私自身、これまでに“命は大切”という発想はあっても“死を認知することは大切”という考えを持ったことはありませんでした。後者の考えも命を大切にするというメッセージにつながる点では前者の発想と同じですが、人に与える印象は大きく異なります。それは後者の場合、死という概念に含まれる不安感や恐怖感が考える者をより真剣にさせるためだと思います。つまり、死を認知することを逆にとらえると、いのちの尊さを感じるということになります。

 以上の二点に共通することは、より現実味を感じながらリアルにいのちについて考えられるということだと思いました。まとめると「いのちの授業」では、いのちの話題を敢えて特別なものにせず、現実味を帯びたものとして扱うことでよりいのちについて真剣に考えられるということが分かりました。

 では、上述したことを実際に子ども達と考えていくためにはどのようにしたら良いのでしょうか。それは玉置先生が行ってくださった模擬授業の中で学ぶことができました。学んだ中で最も感銘を受けたのは、子ども達の言葉を重ねるということです。これは子ども達の思ったことや考えたことを繋げていく中で、次に考えることの手掛かりを出したり、子ども達なりの考えの答えに近づいていったりするというものです。つい、子どもが言ったことに言葉を付け加えてしまう指導や、自分の思う答えや道理に照らして導こうとしてしまう指導を行いがちですが、そうではなく子ども達の言葉をもとに進めていくことが重要であると分かりました。
 
 以上のように、「いのちの授業」とは子ども達が現実味を感じながらいのちについて真剣に考えられるものであり、そこでは子どもの言葉を重ねていくことが重要であると学びました。このような「いのちの授業」を知れたことは、私自身がいのちについて考えるきっかけとなりました。さらに、ここから子ども達と学校でいのちについて考えることへ広げていきます。この様な貴重な学びの場に参加させていただき本当にありがとうございました。(準ゼミ生・井上)