研究室日記

9期生卒論発表会長谷川さん・石上さんからの学び(池田・松野)

公開日
2025/02/28
更新日
2025/02/28

学生の学び

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 みなさんこんにちは!玉置ゼミ10期生の池田です。今回は先日行われた9期生の先輩方の卒業論文発表会での学びを記事にしたいと思います。ここでは幼保小の連携から小1プロブレムへのアプローチについて発表してくださった長谷川さんの発表から学んだことを書きます。



「幼稚園や保育園で学んできたことを小学校での生活に活かす」


 長谷川さんの発表を聞くまでは、私の中での小学校1年生のイメージは、「日々の生活がはじめての連続で、自分でできることが少ないから多くの援助が必要」というマイナスなものでした。しかし、発表を聞き、児童各々が幼児教育や保育園での学びを学校生活につなげることの大切さを学びました。


 長谷川さんが卒業論文で提案しているレベルアップシートは、幼稚園や保育園で子どもが学んできたことや知っていることを小学校ではどのように言い換えるのか、分かりやすく提示しているものです。レベルアップシートを掲示することで、児童は「幼稚園でもやっていたからわかる!できる!」と不安が少なくなり、自主的に動くようになります。1年生だからこそ、就学前の学びを活かし、徐々に小学校生活に慣れていくことが大切だと分かりました。



 また、口頭で伝えるだけではなく、視覚化することの大切さにも気が付くことができました。例えば、トイレまでの道をテープを使って視覚化することや、時間割表を掲示板に貼り分かりやすくすることが、まだ学校生活に慣れていない1年生にとって効果的であると分かりました。私自身も保育の講義を受講しており、幼保小の連携や小1プロブレムにはどのように対応したら良いか知りたいと思っていたため、今回の発表は自分にとってとても大きな気付きになりました。教師が、幼稚園や保育園での学びを理解したうえで指導・支援することや、一年生が感じる不安を子ども目線で考え、理解する必要があると感じました。小学校教師を目指すうえで、幼児教育を学ぶ意義について再認識することができた素敵な発表でした。貴重な学びをありがとうございました。(池田)



 こんにちは!10期生の松野です。今回は1月31日に行われた9期生の先輩方の卒業論文発表会での学びを記事に書かせていただきます。私は居心地のいい学級を授業からつくっていくための手立てについて発表してくださった石上さんの発表から学んだことを書きます。


「居心地のいい学級にするための授業における学級経営」

 石上さんの発表を聴き、居心地のいい学級をつくるためには、子どもたちが互いの良さや違いを認め合える場面を教師がつくっていくことが大切だと学びました。周りの人にどう思われるのか不安であったり、自信がなかったりすると、居心地が良くないだけでなく、自分の考えを話すことができず、グループ活動も活発に行うことができません。そのため、一人ひとり考え方や取り組み方が異なっても良いことやそれらを認め合い、相手を尊重することの大切さなど、教師が場面をつくったり思いや価値を伝えたりすることが大切だと学びました。



 石上さんの発表から居心地のいい学級をつくるためには、特に3つのことが大切であると学びました。

 一点目は自己決定の場をつくることです。一人ひとり取り組める量が異なることは当たり前であることを子どもたちに伝え、自己決定できる場をつくることで、「まずは○○からやってみよう。次は少しレベルアップして○○をやってみよう」などと自分のペースで学ぶことができるだけでなく、自分の学びを見取り、自分で自己調整していくことができ、積極性が高まると学びました。

 二点目は他者を尊重することです。教師がすべて決めるのではなく、一人ひとりの考えを聴いたり、グループで話し合ったりし、教師が一人ひとりの考え方や姿を認め、尊重することが大切だと学びました。そうすることで、自分の考えを話しやすくなると同時に、多様な考え方があることを知ることができ、子どもたち自身もみんなを尊重することの大切さを経験することができると学びました。

 三点目は認め合いを活発にすることです。話し合いの中で異なる意見が出たとしても、多面的に考えることに価値があることを伝えることで、お互いの考えを認め合うことができます。そうすることで、相手の考えにも耳を傾け、新しい意見にも気付くことができ、学びが深まります。また、認め合いを活発にすることで、授業や休み時間などどのような場面においても相手を尊重する姿勢の中で行われるようになると学びました。


 最後に石上さんが提案したICTを活用して学級で共有できるチャレンジボードについてです。単元の初めにその授業で頑張りたいことや目標を一人ひとり考えて記入し、どのくらいできたかを視覚的に分かるようにグラフに書き込み、自己評価します。さらに、コメント機能でクラスメイトからの応援メッセージなども記入できるようにし、単元の最後に班や学級で共有します。



 このチャレンジボードを活用することで自己決定し、一人ひとりが自分の目標をもって学びに向き合うことができ、さらにコメント機能で仲間からのメッセージも記入できるようにすることで他者を尊重し、互いを認め合うことにもつながります。また、自己肯定感が高まると同時に、集団に対する安心感を抱くことができます。安心できる環境を整えることにより、子ども自身が積極的に自己表現することができ、居心地が良くなると学びました。


 私も子どもたち一人ひとりの居場所となるような温かい学級をつくるために、互いの良さや違いを認め合える場面や自己決定できる場面をつくり、一人ひとりの良さや考えを認め、居心地のいい学級をつくりたいと強く思いました。そして、子ども同士のつながりも大切にし、子どもたち自ら考えを伝えたり互いを認め合ったりできるように、授業づくりも大切にしたいと思いました。9期生の先輩方、貴重な学びをありがとうございました。(松野)