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言い換えることの害

公開日
2022/04/01
更新日
2022/04/01

算数・数学授業:志水メソッド総括 ○付け法、意味付け復唱法、音声計算、適用問題定着法など

Aくんが、「十のたばで考えました」と言ったところ、教師が「十の位に繰り上げて考えたんだね」と切り返した。

教師は親切で、数学的な言葉に言い換えて応答している。
悪気はない。
でも、子どもたちの気持ちはどうなんだろう?
ところが、まずAくん本人は、「そんなこと言っていないよ、たばだよ」と思っている。
他の子どもたちは、「ああそうか、十の位に繰り上げて」を先生が話したからこれが正解だぞ。これを覚えておこう。
かくして、Aくんの発言は記憶からデリートされていく。

こんなことを繰り返していくと、子どもたちは、教師は正解を言う、友達の発言は不十分な発言であるから聞く必要はないと思ってしまう。

だから、教師の親切によって、子どもたちどうしのコミュニケーションを阻害していくことになる。
よって、会話の基本は、復唱から始めるべきなのである。
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