鏡の理の応用
- 公開日
- 2023/07/14
- 更新日
- 2023/07/14
船井幸雄の人間学
■教師と子どもとの関係
あなたは、教室に入るとき何に気をつけて入りますか。私は、ニコニコ顔で入るようにします。
特に、最近示範授業で飛び込みの授業をすることがありますが、教室に入るときには、笑顔で入るようにします。そして、座席表をもとに全員の名前を呼びます。初対面なのでこの5分間が決め手なのです。名前を呼びながら、元気な声には「いい声だ」と励まし、元気のない声には「給食食べたのかな」などと冗談をいいながら進めるのです。全員の名前が終わると、子どもは安心感に包まれます。それから、本時の課題に入ります。
どんなときでも教師は、笑顔でいたいものです。例え、体の調子が悪くとも、また心の悩みがあっても、それを顔に出してはいけません。そんな顔は、子どもとは関係のないことです。プロなら出すべきではありません。
笑顔の効用は、第一に子どもたちに安心感を与えます。第二に、子どもの心にゆとりが生じます。このゆとりが知的好奇心へのとびらを開く鍵となります。授業とは何かということを私は「子どもの心をオープンにさせて、教材に出会わせることによって問いの発生を生じ、解決させていく活動である。」ととらえています。
付け足していうと、「教師と子どもの波動現象の生命体である。心の波を起こし、知的好奇心から探究心がもととなって解決していく活動である。」となります。
ですから,授業は,まず、心ありきですから、教師の笑顔が授業の出発点なのです。船井氏は、「温顔無敵」ともいっています。いつもニコニコしていれば、心配は無用ということでしょう。
現在、私は大学で教鞭をとっていますが、講義をするときもニコニコして話します。また、講演も同様です。すると、学生も先生方も安心して私の話を受け入れてくれます。
ところが、以前の私は,反対の授業もありました。顔にいやな感情を表して授業をしていたこともありました。私が未熟だったせいです。やはり、笑顔を出すためには、日頃から感情のコントロールをして、しかも教えることに自信を持つ必要があります。教育実習生がドキドキした表情をしているのは、自信がないので当然です。いやいや教育実習生だけではありません。私が参観した授業の中で、自信のない表情をした教師もいました。当然、表情は暗いのです。これだと、教えられる子どもは、この教師の言うことが本当なのかどうか疑心暗鬼といったところです。そのためにも教材研究は必要ですね。