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算数数学の授業における「自力解決」の前提

公開日
2010/12/22
更新日
2010/12/22

今日のひとこと

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12/23 今日のひとこと
算数数学の授業には、説明型授業と問題解決型授業とがある。
どちらも長所と短所をもっている。

ここでは、問題解決型授業で気を付けるべきことを述べる。

1.いきなり問題解決を迫る授業・・・だめだめ授業
教科書の問題を提示していきなり、「さあ、やってみよう」という授業。
これを無謀な授業という。
そもそも教科書の問題というのは子どもにとって初めての問題である。
なのに「用意。ドン」とか「頑張って。はい」ではいけない。
初めて跳び箱に出会った子どもがいきなりハードルのある跳び箱を跳べるのか?

確かに「用意。ドン」で解けるこどももいる。でも、多くの子どもは解けない。だって、何をどうやればよいのかがわからないから、解けないのである。もちろん、○付け法は不可能である。
全員の子どもに自力解決させることを願うのならば、確かな見通しをもたせたい。



2.見通しをもたせる授業
このタイプの授業にもよい授業とだめな授業がある。

(1)少ない人数で見通しを発表させ、他の子どもに見通しのつながりをもたせない授業・・・だめだめ授業
問題提示の後、どうやればよいかと安易に質問し、できる優秀な子どもだけが見通しを発言し、真似させる授業。
このタイプの授業を集団カンニングという。

(2)見通しについて、なぜこの見通しが必要なのかについて、筋道立てて説明し、どの子にも確認を求めている授業・・・良い授業
例えば、「この問題は解けそうですか?」「解いていくやり方はわかっていますか」と確認のある授業。

以上のことをふまえた上で、自力解決に入る前提について説明したい。
見通しを9割の子どもがもっていないと、自力解決できないし、また、机間指導もできない。
特に、「9割の子どもが見通しをもつこと」は自力解決に入るための前提であり絶対条件である。
このことがない限り○付け法は不可能である。


参考文献
志水廣
志水メソッドによる算数の授業づくり
—どの子も「わかる」「できる」授業—【DVD付き】(明治図書)
http://www.meijitosho.co.jp/shoseki/shosai.html?bango=4%2D18%2D539419%2D2