○付け法への招待19 普通の机間指導のタイプとレベル
- 公開日
- 2011/11/06
- 更新日
- 2011/11/06
算数・数学授業:志水メソッド総括 ○付け法、意味付け復唱法、音声計算、適用問題定着法など
○付け法は、机間指導の一つの手法である。
ただし、一般的な机間指導とは異なる。
普通の机間指導は、いくつかのレベルがある。これを評価してみよう。
レベル−x.単なる散歩。つまり、机間散歩である。教師のリラックスタイムである。問題提示という緊迫の瞬間が終わり、後は、あなたたち子どもが解く番だから、私は関係ないよ。だから、ここには指導がないから机間指導と呼べるものではない。レベルはマイナスだけれど、程度は不明確である。
レベル−1.できる子どもだけを見ていく。どんな考えをしているかを見るのであるが、多様な考えを拾うために、座席表をもってメモしていくタイプ。このタイプは現在でも多い。後の話し合いのための準備である。このタイプは、できない子どもなど眼中にはない。また、普通の子どもの反応も眼中にはない。教師のための教師による机間指導である。いかにして授業をかっこよく進めるかが机間指導の頭にある。
できない子どものことはどうでもよいのである。ほんの一言でもヒントを上げればできる子どもがいるのに、ひと声かけようという意志がない。自己ちゅうである。
レベル−1と書いたが本当は、−10に相当する。
レベル+10.できない子どもは見ていこうとする。自力解決に入った瞬間、できない子どもの所に行きアドバイスする。このタイプの机間指導はとても良心的である。
ただし、この後が大事で、本当に分かるアドバイスができたかどうかである。単なるなぐさめの声かけでは、子どもはできないままの放置となる。だから、レベルは+5から+10の間であろう。
○付け法の特徴は、全員の子どものノートを見る。これはとてつもない作業である。目指すは、全員の子どもに「分かる」「できる」ことを保証することである。
できる子どものノートも見る。そして、その子どもたちにもふさわしい声かけをする。退屈させない。
中間層のノートも見る。普段見逃しやすい子どもたちにも目を届かせる。
もちろん、できない子どもたちにも支援・指導をする。温かい心で対応する。
さらに、回っていく過程で、次の授業の展開を考える。
決して華々しい発表のオンパレードではなくて、できない子どもができる過程を引き出し、さらに、できる子どもたちにも発展的な示唆へと導くのである。
だから、○付け法のレベルはかなり高度で+100といってよい。
私は、みなさんにプロの教師だから+100を求めたい。
約15年間、○付け法を提唱し、講習会も開き、学校力をアップさせてきた実感から、学ぶ教師、学ぼうとする教師は○付け法を習得できると思っている。たくさんの成功事例を見てきたからである。
ぜひとも、+100を目指してほしい。
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写真は庄内小学校の先生である。温かい声かけが心を和ませてくれた。