日記

ちょっぴりの不安とたくさんの期待を持った1日

公開日
2011/10/25
更新日
2011/10/25

仕事

昨日は研究発表会を2週間ほど後にひかえた中学校で授業研究に参加しました。

いつものように朝からおじゃまして子どもたちのようすを観察していると、先日より集中力が下がっています。先生の話を聞いていない、問題を解き終わって遊んでいる、手をつけようとしない、そんな子どもが目立つようになっています。合わせて、先生方の表情が硬い、笑顔が減っている。こんなことに気づきました。
研究主任にうかがったところ、この数週間、研究発表のための原稿や指導案その他もろもろのことで、ほとんどの先生が深夜、時には翌日まで仕事をされていたそうです。先生の表情も硬くなるわけです。授業中に子どもたちを見る余裕もなくなります。
研究発表会のためにエネルギーを使い果たしてしまい、終了後みんな抜け殻のようになってしまったという笑えない話も聞きます。教師の手元に立派な紀要が残ることではなく、自分たちのやってきたことが子どもの成長となって返ってきたという実感を持てること、子どもたちがよい方向に変わったとまわりから認められることが大切です。
事前準備のピークは過ぎたようです。先生方も笑顔を取り戻し、子どもたちもよい姿を見せてくれるようになると思います。発表会当日は、先生方とのパネルディスカッションを通じて、この学校の先生方の思い、努力とその成果をわかりやすい形で参加者に示すことができるよう頑張ってコーディネーターを務めさせていただきたいと思います。

そんな中で数学と体育の授業研究がおこなわれました。私は数学の少人数の2学級の授業を参観しました。2次関数ってどこに出てくるの、何の役に立つのという子どもの声に対して、リアリティのある教材を用意しようと挑戦してくれました。車の制動距離とブレーキを踏んだ時点の速度の関係が2次関数になることを利用する問題です。うれしかったのは、2人の授業者が異なるアプローチをしていたことです。

1人はできるだけ現実に近い形にしようと、空走距離と制動距離を使い、一方を1次関数、もう一方を2次関数の例として課題としました。
もう1人は、課題をシンプルにしようと制動距離に絞り、そのかわり課題と情報の提示を自作のビデオでおこなってくれました。

ともに初めての試みです、授業の課題もたくさん見つかります。そのことは悪いことではありません。挑戦して課題が見つかることで成長するのです。

私の専門が数学なので、数学科の先生には厳しくなります。どうしてもネガティブなことが目につきやすいのですが、この2学期になってうれしい変化が見つかりました。数学の先生方の板書がよくなってきたのです。今までは解答がただ書いてあるだけの、問題集についている簡単な解答のようなものが多かったのですが、色チョークを活用したポイントや解く過程がわかるようなものになってきたのです。全体的に変わったということは教科がチームとして機能し始めた証だと思います。さらに、「どうしてこの方法で解けるの」といった解法の根拠、「どこから手をつければいいんだろう」という問題を解くための手がかりなどが残るようなものを目指すようにお願いしました。

このほかにもうれしいことがありました。採用試験に受かった2人の講師が今まで以上に授業に前向きになっていることです。1人は小学校、1人は高校と今いる中学校とは異なりますが、ここで少しでも多くのことを学び新天地で活かそうとしています。伸びよう、学ぼうとする教師集団の中にいることがこのような姿をつくってくれているのだと思います。

ちょっとした不安もありましたが、明るいものもたくさん見ることができた1日でした。発表会はこの学校の先生方の努力にふさわしい成果が見られることと思います。