日記

学校の雰囲気が緩むとき

公開日
2011/10/26
更新日
2011/10/26

仕事

先週末に中学校の体育の授業アドバイスをおこないました。以前は生徒指導上の困難を抱えていた学校ですが、先生方の努力で今ではごく普通の落ち着いた学校に変わっています。今年度は初めての訪問でした。

子どもたちは元気に授業を受けているのですが、全体としては今一つ緊張感に欠けます。素早く行動できる生徒もたくさんいるのですが、しまりがないのです。活動の目標が明確にされていない。当然、活動の評価場面もありません。また、一部の生徒にかかわりすぎて、全体が見えていない。したがって、状況に応じた対応ができません。この授業については、このようなことが緊張感を失くしている直接的な原因でしょう。授業の場面場面で、教師が求める子どもの姿をしっかり意識することで状況は改善していくと思われます。

しかし、どうも別の要素があるようにも感じます。以前からいる先生にとっては、何年かかけて子どもたちが落ち着いてきた、ようやく一息つける。新しく赴任してきた方にとっては、大きな問題のない普通の学校なので特に緊張する必要がない。今の状態で子どもは立ち歩くこともなく席についていて授業は成立している。そのようなゆるい空気が漂っているのです。
これは、困難な状態から落ち着いてきた学校でよく見られることです。実は子どもたちを見ると、もっと自分たちを見てくれというサインを出しているのですが、問題行動を取るわけではないので気づかないのです。表面上は落ち着いているだけで本当によい状態にはまだなっていないのです。先生方が授業中の子どもにもっと目を向ければ、学校は一気によくなります。ほっておけば、ちょっとしたきっかけで学校はまた崩れてしまいます。授業の充実が課題となるのです。

もちろん管理職の方はこのことに気づいておられます。この学校では、全体でテーマを持って取り組みますが、まず個別に授業を改善することを優先しています。仲間の変化を見える形にして、改善への意欲を全体に広げるというアプローチです。この方法が成功するためには、よい方向に動き出す先生をいかに増やすかが鍵となります。私は、そのためのお手伝いをさせていただいているというわけです。
この学校での授業アドバイスは、一人ひとりの先生に、自分がいかに可能性を秘めているか感じてもらうことを大切にしています。ちょっとしたことを意識すれば、自分の授業は飛躍的に進化する。そう信じていただき、授業の改善に手をつけていただくことが私の仕事です。半年後、1年後にこんなに授業が変わりましたと報告してもらえることが目標です。