子どもたちの活動がばらばらになる part2
- 公開日
- 2011/11/11
- 更新日
- 2011/11/11
授業ワンポイントアドバイス
ある子は教師を見ている、ある子は板書を写す、ある子は資料を見ていると子どもの活動がばらばらな教室を見ることが最近増えてきました。以前にもこのことに触れましたが(子どもたちの活動がばらばらになる参照)、もう少しその原因について考えたいと思います。
まずよくあるのは、以前にも書いたように、教師が自分の行動にばかり意識がいってしまい、今、子どもにどういう活動をしてほしいか意識していないことです。
次によくあるのは、特定の子どもしか意識していないことです。
たとえば、指名した子どもがどのようなことを言うかに集中してしまい、発言していない子どものことが意識にないような状況です。指名する時に発言をよく聞くようにと指示しても、教師は発言者しか見ていないので他の子どもの状態は見えません。やはり、子どもの活動はばらばらになってしまいます。
これらは、いずれにしても一人ひとりの子どものどのような姿が見たいのかを意識していないので、意識することで改善されます。教師が見たい子どもの姿を意識して指示をだし、目指す姿とのずれを確認することで自然に修正されていきます。
一方で、教師の求める姿に子どもが意味を認めていないことも原因としてよくあります。
教師が説明したり、質問したりしても、無視して板書を写している子どもが何人もいることがあります。鉛筆を置きなさいと指示することで改善されますが、根本的な解決にはなりません。なぜなら、教師の説明を聞いたり、質問の答を考えたりすることよりも板書を写すことの方がその子たちには価値があるからです。教師の説明を聞いてもよくわからない。どうせ後から要点を板書するのでそれを写した方が無駄がない。質問の答えを考えなくても、誰かが答えるからそれを聞けばいい。下手に間違えた答を言って恥をかくより、正解を板書する方がいい。こんなことを思っているのです。
この問題は深刻です。根本的に授業の質を変えていくことが求められます。教師の話を聞いてよかった、自分で考えて発表してよかったと、教師の求める姿に子どもが価値を認めなければなりません。
聞いたことをほめられる。聞くことで理解できる。発表を友だちが聞いてくれる。発表すれば必ずほめられて終わる。・・・
毎日の授業でこのようなことを一つひとつ積みかさねていかなければなりません。
子どもの姿は教師を映し出す鏡です。目指す子どもの姿を意識して見ることで自分の授業の実態が見えてきます。子どもの姿がばらばらであれば、その原因を考えてください。もし子どもが目指す姿に価値を見出していなければ、その価値を子どもに伝えるような授業に変える努力をしてほしいと思います。