日記

美術で大切にしたい活動

公開日
2012/11/06
更新日
2012/11/06

教材研究

言語活動が重視されてきた影響か、作品つくりが終わったあとに発表時間を持つことが増えているように思います。このとき、作品について本人が発表し、感想を他の子どもが伝える形式が多いようです。自分の作品のよさは本人には語りにくいものなので、工夫を発表する・させることが多くなります。感想は作品のよいところを伝えるのですが、本人が工夫を発表するので、どうしてもそれに関連したコメントになりがちです。視点が広がりにくく、盛り上がりに欠けたものになってしまいます。

そこで発想を変えて、友だちの作品に対するレポートを発表するという活動を取り入れてみてはどうでしょう。
たとえばグループのメンバーがそれぞれ別のグループの作品を取材に行きます。その取材結果をグループで発表し、そのレポートを聞いて興味を持った作品を各自が見に行くといった活動です。
作品のよさ(具体的にどこが)、参考になる工夫、ここがお勧めといったものをレポートすべき項目としてあらかじめ指定しておくと、作品を見る視点を与えることができます。あらかじめ作品に対して見る人にどのように思ってもらいたい、どのようなことを工夫したという制作ノート(メモ)をつくっておいて、それに対応する項目をレポートの項目にしてもよいでしょう。友だちのレポートと比較することで、自分の作品の意図や工夫がどのように伝わったかを知ることができます。
全体で、誰のどの作品に対するレポートがよかったかを共有することで、よい作品を作った子どもだけでなく、友だちの作品のよさを伝えることができた子どもも評価することができます。

また、言語活動をより重視するのであれば、ペアで互いの作品のレポートをつくるといった方法もあります。作品を間に挟んで、自分の感想を伝えながら、思いや、工夫を相手にインタビューするのです。子ども同士の関係がよくないと難しいところもありますが、コミュニケーションスキルを身につけるのにも有効だと思われます。
もちろん、ペアにこだわらずにグループでのレポートづくりや、他のグループへの取材にインタビューを取り入れてもよいと思います。

技能系の教科では、作品に語らせる、作品から感じとる・読みとるといった、作品を通じてのコミュニケーションを大切にしてほしいと思います。こうすることで、制作の得意な子どもだけでなく、鑑賞する力、伝える力のある子ども評価することができます。是非このことを意識してほしいと思います。