2番手、3番手を評価する
- 公開日
- 2012/11/15
- 更新日
- 2012/11/15
授業ワンポイントアドバイス
子どもたちを指名するとき、1人を指名して終わりにしないよういつもお願いしています。以前にも何度かここでとりあげましたが(子どもの発言を引き出すには
、子どもの発言つなぐことを考える参照)、少し違った視点でこのことについて考えてみたいと思います。
答がわかっていても自信のない子どもは挙手しません。最初に手の挙がった子どもが指名されて評価されることが続けば、最初でなければ評価されないと子どもは考えるようになります。1人の子どもが評価される一方で、多くの子どもが評価される機会を逃しています。数人しか手が挙がらなかったのに、発表後、「同じ考えの人」と聞くとほとんどの子どもの手が挙がることがあります。最初からわかっていたのに手が挙がっていなかった子どもがかなりいたはずです。おかしなことだと思わなければいけません。子どもたちが積極的に参加しているとは言い難い状況です。もちろん、本当に数人しかわからない場合もあるでしょう。その場合でも、指名して正解がでれば教師が説明を始めてしまうのであれば、他の子どもの出番はなくなります。やはり最初であることが価値のあることだと思うようになります。
大切なことは、友だちの考えを聞いてわかることであり、説明を聞いて理解することです。最初であることは重要なことではないのです。ですから、2番手、3番手を評価することを意識しなければいけません。
「今の○○さんの意見を聞いてなるほどと思った人? ○○さんの意見になるほどと思って人がたくさんいるね。いいね」
「△△さん、あなたの言葉でもう一度言ってくれる?」
「・・・」
「なるほど、△△さんもしっかり説明してくれたね。○○さんと△△さんの説明になるほどと思った人? 増えたね。じゃあもう1人聞こうか」
・・・
最初はわからなくても、友だちの意見を聞いてわかったら評価されることを知れば、一生懸命聞いて理解しようと思います。わかっていたのに最初に挙手できなかった人も、友だちの意見を聞いてから再度挙手を求めれば、自信を持って答えます。積極的に参加するようになります。
最初だけでなく、2番手、3番手の子どもを大切にする、評価することを常に意識して授業に臨んでほしいと思います。