日記

教科の先生同士が学び合う

公開日
2014/11/21
更新日
2014/11/27

仕事

昨日の日記の続きです。

英語の授業研究は、3年生の間接疑問文の学習の最初の時間でした。
とにかく子どもたちが楽しそうに授業に参加しているのが印象的でした。一つひとつの活動における授業者のねらいが明確です。いろいろな音読の活動をすることで基本表現を定着させたいと考えていました。
”We Are The World”を聞いてウォームアップします。退屈そうにしている子どもほとんどいません。歌詞をしっかり目で追っている子ども、一緒に口ずさむ子ども、それぞれのやり方でしっかりと聞いていました。
続いてこの日の主となる文章のリスニングです。1回聞かせて何語聞き取れたかを隣同士で確認し合います。一連の活動の後、再度リスニングした時に自分たちが進歩していることを感じ取るための布石です。
単語の読みをフラッシュカードで練習します。子どもたちがしっかりと口を開けています。ペアでの練習も、男女の組み合わせであってもすぐに取り組みます。これに限らず授業者の指示に子どもが素早く動きます。よい意味でのワンパターンで、一連の学習の進め方を子どもがしっかりと理解しているので、安心して学習に取り組んでいることがよい状況をつくっています。基本的に全体練習とペア練習を組み合わせて、子どもたちの活動量を確保しようとしています。
一方が日本語の文を言って、相手がそれに対応する基本英文を答えるペア練習がありました。訳と英文を対応付けるにはよい練習なのですが、子どもたちは覚えることに注力してしまいます。英文と日本語訳が1対1に対応してしまいます。関節疑問文を教えるのであれば、”What is ○○?” に対して、”I don’t know what ○○ is.” “Oh, you don’t know what ○○ is.” といったやり取りの練習を取り入れると、日本語訳に頼らなくても意味の理解ができると思います。
どの子どもも授業に参加しようとしています。子どもたちの活動量を確保しようとする授業者の意図は達成されていると思いました。
英語の教科部会での授業検討では、子どもたちがしっかり育っていることが話題になりました。4月からきちんと育ててきているからこそ、今のこの状態があることが確認されました。互いによさを認め合いながら、授業について忌憚のない意見を出し合えるとてもよい雰囲気の検討会でした。
私からは、次のステップとして、子どもたちの英語力をつけるための活動を工夫することを指摘させていただきました。日本語と英語を対応させて覚えるのではなく、実際の“situation”に応じて英語を使う活動をどう組み込むかが課題だと思います。互いに学び合える先生方なので、きっと更なる進化を見せてくれることと思います

経験2年目の先生の数学の授業研究は1年生の反比例の導入部分でした。
子どもたちとの関係ができていることが感じられました。比例で「何をやってきた?」と問いかけて子どもたちに思いつくことを発表させます。テンポよく進めたいのでしょうが、1人発表させては、先生がそれを拾って説明します。ここは復習です。同じ答が何度出てもいいのでどんどん指名して活動させたいところです。また、教科書やノートを見て調べている子どももいます。こういった子どもを評価することも大切です。
続いて「比例以外の関係あるかな?」と問いかけます。ここは「関係」と問いかけるのではなく、「関数」と問いかけなければいけません。そのためには、関数とは何かをきちんと押さえる必要があるのですが、押さえが甘いままです。
反比例を導入するために、1cmきざみの方眼を配り、「面積が6cm2 になる長方形を探してみてください」と課題を提示しました。探すという言葉では、方眼紙の中で見つけるというようにも取れますし、目盛りが1cm刻みですので、辺の長さが整数のものしか見つけない可能性もあります。教科書は頂点を方眼紙の左下に固定して長方形を書かせます。グラフを意識してのことです。授業者は次の時間に長方形を貼ってグラフをつくるつもりでこのように変えたようです。しかし、この課題では長方形を方眼紙でつくる必然性がありません。面積が6cm2 の長方形の2辺は計算ですぐに出せます。連続性を意識させることも考えると、「(辺の長さが異なる長方形を)できるだけたくさんつくって」といった発問にすべきだったかもしれません。たくさんの値が出てくることで、見つけた規則性が「いつでも」成り立っていることを実感できますが、逆に規則性を見つけにくくなる可能性もあります。しかし、小学校で反比例は扱っているので、ハードルを少し上げてもよいとは思います。
いろいろな場面で子どもがつぶやいたことをよく拾うのですが、それをすぐに自分で説明してしまいます。一部の子どもの発言で授業が進んでしまいます。いかに、発言を他の子どもにつなぐかが課題です。「同じように考えた人」「なるほどと思った人」「ちょっと違うよという人」とつなぐことで、考えを広げたり、深めたりする必要があります。
また、数学用語の使い方が少し雑なことが気になります。反比例の定義を「y=a/xの関係があるとき、yはxに反比例する」と定義します。一番肝心の「yがxの関数であるとき」が抜け落ちています。また、小学校では、xが2倍、3倍、・・・となる時、yが1/2倍、1/3倍、・・・となるものを反比例と定義しています。この違いを整理しておく必要があります。y=a/xの関係があれば、xが2倍、3倍、・・・となればyが1/2倍、1/3倍、・・・と必ずなることを押さえることで、小学校での学習とつなげ、関係式を使って定義することのよさを感じさせることが大切です。反比例のように小学校で学習した事項は、その内容を踏まえた上で授業を構成する必要があります。小学校の学習内容を授業者は確認していなかったのかもしれません。何をもとにして、何をつけ足す、変えていくのかを意識することが大切です。
いろいろと課題はたくさんありますが、1年前と比べればずいぶん進歩したと思います。板書も自分なりのポイントを意識できるようになってきました。子どもの発言を受け止めることができるようになっただけでも、子どもとの関係が変わってきます。次の課題として子ども同士をつなげること意識してほしいと思います。
教科内容の点では、まずは基本事項を自分できちんと整理することが必要です。合わせて、子どもの今までの学習の軌跡をしっかりと意識することが大切です。特に小学校の教科書の関連部分はしっかり押さえておく必要があります。

今回の3つの授業研究はそれぞれの教科の先生方を中心に行っていました。検討会終了後に、数学の1年生担当が授業者と共に教務主任の指導を受けていました。こういった互いに学ぼうとする姿勢が見られることはとてもよいことです。
同じ教科の先生同士の結びつきが以前と比べて強くなってきているように感じます。教科として、授業力向上の意識が高まってくれることを期待します。