日記

介護の仕事と授業の共通点を考える

公開日
2014/11/25
更新日
2014/11/25

仕事

先日、介護関係の研修の打ち合わせを行いました。研修の参加者に考えてもらう内容を検討していると、介護の仕事には授業と共通のことがたくさんあることに気づきます。

介護では、利用者の身にどんなことが起きるか、予想して行動することが大切になります。今の状況にどんな危険があるかを想像することが重要です。授業でも、子どもたちがどのような行動をとるか、どのようなことを考えるか、どのようなことでつまずくか、常に考えておく必要があります。
また、介護の現場では予想もしない事故が起こることもあります。そんな時も素早く正しい対応が求められます。授業中に事故ということはあまりありませんが(もちろんないわけではありません)、こちらが全く予想もしない反応を子どもがすることがあります。そんな時にも、その反応をきちんと受け止めることが大切です。これもよく似ています。

さて、介護施設の利用者は、一人ひとりその状況は異なります。全員を同じように扱うことありません。食事一つとっても、個別の対応が求められます。一人ひとりの利用者の状況をしっかりと把握していないととんでもない事故が起こってしまいます。常にそういう緊張を持って仕事をしているのです。学校でも、子どもたち一人ひとりの状況は違います。「みんな」という言葉で同じように対応をすることは、一人ひとりの成長を考えたときにとても危険です。子どもたちの能力や発達に応じて柔軟な対応が教師には求められますが、その対応が間違っていても介護現場のように目に見える事故は起こりません。その結果は子どもたちに学力がつかないといった形で現れますが、教師はそれを自分のせいだとはあまり思いません。子どもの能力の問題だと考えてしまうのです。そうではなく、自分の授業が原因だと認識することが必要です。

介護職員と同じように、教師もよい意味での緊張と責任を感じて教壇に立ってほしいと思いました。