日記

学級経営の大切さを思わぬ形で実感する

公開日
2014/12/18
更新日
2014/12/18

仕事

現在研究中のコンピュータを利用した能力診断・開発のプログラムを試していただいている小学校で、授業を参観させていただきました。診断結果や能力の変化の様子に、学級間でばらつきがあるので、実際に子どもの姿を見てみたいと考えたからです。

この学年は3学級なのですが、1つの学級は積極的に取り組み、ほぼ全員の能力が順調に向上しています。次の学級は比較的能力の高い子どもたちの伸びが大きく、もう1つの学級は取り組みが消極的で伸びのばらつきが大きく、能力が下がっている子どもも目立ちます。この違いがどこから来ているのか興味があったのです。
今年度の学級編成の時には、ほぼ均一になるように分けたそうですが、学級の様子を見ると明らかに違いがわかります。順調に子どもたちが伸びている学級は授業規律が比較的よい状態で、授業者の指示に子どもたちがよく従っています。一方、ばらつきの大きい学級は、授業でも子どもたちの様子がばらばらです。子どもたちの集中力が続かず、ごそごそする子どもが目立ちます。それも特定の子どもというより、入れ代り立ち代りです。その中間の学級は、授業者が意識していることはきちんとできているのですが、気にしていないことはあまりきちんとできません。どちらかというと放任のように見えます。能力の高い子どもの伸びが大きいのは、彼らの意欲がもともと高かったからかもしれません。
今回試していただいたものは、ゲームや作業を通じて能力診断・開発を行うものです。このようなものであれば、子ども一人ひとりの興味関心で取り組む姿勢が決まるのではないかと考えていたのですが、どうやらそうではなさそうです。コンピュータ教室で一斉に利用するといったやり方だったので、学級の雰囲気が大きく影響したようです。

あたりまえのことかもしれませんが、同じプログラムでも学級としての取り組む姿勢がその効果に大きな影響を与えることがわかりました。逆に子どもたちの変化から、学級経営の状態がわかると言えるかもしれません。本来のねらいとは違うのですが、学級の状況の診断に利用できる可能性もありそうです。
今回、この学校に協力いただくことで、とても興味深い知見を得ることができました。今後他の検査との相関も調べたりしながら、役立つ情報を還元したいと思います。