福山憲市先生から学ぶ
- 公開日
- 2015/07/15
- 更新日
- 2015/07/15
独り言
本年度第3回教師力アップセミナーは、山口県の福山憲市先生の「20代からの教師修業 出会いと挑戦」と題した講演でした。福山先生は「ふくの会」という勉強会を30年以上続けられていることでも有名ですが、130名の学年で算数の平均点が90点以上といった授業力や学級経営に定評のある方です。
お会いしてまず感じたのが、笑顔でした。この日ずっと笑顔が消えることがありませんでした。これは意識し続けなければできないことです。この一点だけでも、すばらしい先生であることは間違いないと確信できます。
「出会い」を大切にされています。言葉でそのことを説明するのではなく、実際の活動を通じて上手に伝えられます。会場の参加者同士で挨拶をさせますが、握手をしたかどうかを確認します。握手をして触れ合うことの大切さを伝えて、今度は移動してより多くの人と握手をするように指示します。その後、握手した人の名前を憶えているかをたずねます。憶えていない人が普通ですが、それでは出会いを大切にしていないとお話しされます。この一連の活動から、福山先生の姿勢や授業スタイルが見えてきます。伝えたいことをスモールステップに分割し、実際に活動をすることを通じて気づかせるというスタイルは授業でもとても有効だと感じました。また、福山先生は、指示が具体的でとても明確です。わかりやすくゴールも設定します。何より、よくほめます。授業力に定評のある方は、こういう基本的なことを絶対に外しません。
自身が先輩から学んだことをその時の話を交えて伝えていただきます。自信の至らなさをもとに伝えるところに、若い先生に成長してほしいという思いを感じます。よき先輩との出会いと、よき先輩になろうとすることの大切さを改めて感じました。
子どものちょっとした疑問も大切にされています。そういうものだと私たちがあたりまえのこととして疑問を感じないことも、子どもたちの目には不思議に映ります。子どもたちの「童心」と「同心」になり、いい質問をしてくれてありがとうの言葉をかけ、知らないから調べて学ぶことで「動心」し、子どもたちに「憧心」を持ってもらう。「童心→同心→動心→憧心」こんなお話に、子どもたちの側に寄り添う福山先生の姿勢を感じます。
障害児学級での経験で、子どもたちのやる気を引き出すための基本的な考えを教えてくださいます。その時間の一連の活動を事前に伝え見通しを持たせる。一つひとつの活動時間を短く区切り、名残惜しい気持ちにさせる。そして、何より子どもをほめることです。どんな些細なことでもいいので、ほめることは子どものやる気につながります。この考えには私も大きく共感します。
福山先生の講演は参加者にたくさん質問をされます。参加された方がいっぱい考えて頭がつかれたと言っていたのが印象的でした。よい授業を聞いた時の子どもの感想と同じです。福山先生の授業の本質を表わした感想なのかもしれません。子どもたちの平均点が高かったとことの秘密はそんなところにもあるのかもしれません。
以前からお会いしたかった福山先生にお会いでき、とても多くのことを学ぶことができました。このような出会いに感謝です。