研究室日記

2月8日 教師力アップセミナー(山本先生)からの学び (安藤、加藤奨基)

公開日
2020/02/27
更新日
2020/02/27

学生の学び

 こんにちは、玉置ゼミ4期の加藤奨基です。2月8日に大口中学校にて、山本良和先生による教師力アップセミナーに参加させていただきました。筑波大附属小の算数科の先生ということだったので、ゼミ同期の竹内君にもぜひ見てもらいたかったなと思います。

 山本先生に最も学ばせていただいたことは、教師としてのプロ意識です。もちろん、一度の授業内での子どもの自己表現量の多さや、子どもがついつい考え、話したくなる働きかけなど学びとれる技術も多くありました。しかし、自分は特に、先生のプロ意識が参考になりました。
 
 山本先生のプロ意識とは、先生の仰っていた「しかけ」にあると思います。この「しかけ」とは、教師が働きかけた時、どんな子どもでも、どんな場所でも、どんな時でも子どもが動く授業デザインのことです。以前に玉置先生が仰っていた言葉をお借りすると、汎用性があるということだと思います。確かに、子どもの実態に合わせた授業作りもとても大切だと思います。自分も教育実習で、目の前の子どもの学力や興味関心に合わせた授業を考えていました。山本先生はそのような現場での意識から、もうワンランク上の、授業実践者としての世界に立っておられるのだと感じました。

 自分も4月から現場に立ちますが、まずは目の前の子どもに合わせた授業作りだと思います。しかし、長年教師を続けていく中で、もし機会があれば、山本先生や玉置先生のように汎用性のある、しかける授業をデザインしてみたいなと思いました。まだまだ、ずっと先のことではありますが、そのような世界もあるのだと知ることができました。今回学ばせていただいた技術や心構えを生かして、目の前のことから一歩ずつがんばっていきたいです。山本先生、教師力アップセミナー関係者のみなさま、今回もありがとうございました。(加藤)

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 こんにちは。4期生の安藤優里です。今回は、2月8日に大口中学校で行われた山本良和先生の教師力アップセミナーで学んだことを記事にしたいと思います。

 まず驚いたことは、授業は一般的に、「めあて」と呼ばれる教師からの問題提示を行い、課題解決に向かっていきますが、それは「教師の目線のめあてであって、子どものめあてにはなっていない」という山本先生の言葉です。山本先生の授業には、めあてもまとめもありませんでした。私が今まで受けてきた授業は、「めあて→解決→まとめ」が授業の基本で、それが普通、最適とさえ思っていました。

 しかし、山本先生の「しかけ」と「しこみ」の模擬授業を受けて、その固定観念が見事に覆されました。山本先生の授業は、教師目線の「めあて」ではなく、子どもご問題意識を持って授業が展開していきます。めあて・まとめがなくても、山本先生の「しかけ」によって、常に自分の中に疑問や目標が沸き上がって、思考し続けた授業でした。

 山本先生の授業は、一言で言うと「他の人の意見が気になる授業、自分の考え方が変わる授業」です。

 なぜそんなことが可能になるのか、その秘密は、「どうしてAさんは先生の方を見たのかな?何か言いたいことがあるんだよね」というしかけにあると感じました。「Aさんは何が言いと思いますか?」と当人のAさんにあえて話をさせないことで、「Aさんは何が言いたいのかな」と人の意見が気になります。そして、「どんなことが隠れているのだろう」「何か決まりがあるのかもしれない」子ども自身が課題意識を持ち、自分の予想を立て、まわりと交流したくなる…と、全員が授業に参加することに繋がっていました。
人の意見が気になる、聞きたくなる授業を作ることは、子ども同士を自然に繋ぐことになる、すごいしかけだと思いました。

 そして、授業の中で10回は自己表現させることで、山本先生は、授業を通して、子どもに学力をつけさせるだけでなく、算数を通して「人間を作る」ことを大切にされていました。それは初めのうちは授業をすることで精一杯で、簡単にできることではないと思いますが、そんな授業を私も目指したいです。

 そのために必要なことは、念入りな教材研究の上で、授業の中で子どもの表情などをよく見て、その子の個性を価値付け、まわりに認めてもらえる環境を作ることだと今回学ぶことができたので、来年度からの授業デザインに生かしていきます。

 今回で今年度の教師力アップセミナーも最後となりましたが、今年も、素晴らしい先生方のお話をお聞きすることができる、貴重な学びの機会でした。来年から私も晴れて教壇に立つことになりました。このセミナーで学んだことを思い出して、現場の子どもたちに合った授業づくりに励みたいと思います。今回ご講演くださった山本先生、そして玉置先生はじめ、関係者のみなさま、本当にありがとうございました。(安藤)

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