心の表現の共感から始まる
- 公開日
- 2008/05/10
- 更新日
- 2008/05/10
今日のひとこと
5/10 今日のひとこと
キャッチ&リスポンスは、子どもの心の表現を共感することから始まる。
東角小学校の授業で、20×3の場面で、子どもは次のような発言をした。
「これまでは、九九しかないけど、10より大きいかけ算で、3年になったら20までいったから、びっくりしたあ」
と、素直に表現した。
この表現の素晴らしさにわたしは感動した。20のだんの九九なんだと。インド式計算を予想させる発言である。こういう子どもに育てたいのである。
では、ここで、どうリスポンスすればよいか。
「ほんとうやなあ。びっくりするなあ。他のみんなもそうびっくりしたかなあ」
と共感してみるのがよい。
または、「びっくりしたんやなあ。ところで、みんな、Aくんのびっくりの意味がわかるかな?」
とレスポンスしてみよう。すると、「ぼくもそうや」という共感が生まれる。授業の中で同志の関係が生まれる。同志というのは、教師と子ども、子どもと子どもとの関係で同志になる。教師が高見の見物をするのではない。この共感性は、共に追求しようというエネルギーに転化される。
子どもの感情表現は授業を進める上でキーワードとなる。
「びっくりしたあ」という発言は、20×3は、2×3に帰着でき、結局、簡単だあとなる。びっくりが大きければ大きいほど、簡単さも浮き彫りになる。授業の最初の言葉が、授業の最後で「算数のよさ」に迫る伏線となる。だから、たかが感情表現だとあなどってはいけないのである。
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