何を板書するか
- 公開日
- 2010/11/10
- 更新日
- 2010/11/10
授業ワンポイントアドバイス
若い先生から板書についての質問を受けることがよくあります。何を書くべきか。どういうこと気をつけたらいいのか。自分の中で板書をどう生かしていくのか明確になっていないようです。
板書を写すことが目的になってはいけないことは、以前にも書きました。(板書を写す意味)
では、何をねらうとよいのでしょうか。大切なことは考えをまとめたり、整理することにつながることを板書で共有化することです。言いかえれば、結果ではなく考えるため起点を書くことです。こうすることで、板書を見て子どもたちが考えることができます。
「筆者はどう感じたのでしょうか。Aさん」
「さびしかったんだと思います」
「なるほど、それはどこでわかる」
「本文に○○○と書いてあります」
「なるほどね。みんな確認できたかな」
○○○を板書して、
「Aさんは、この文から筆者はさびしかったんだと思ったんだけど、この部分から筆者の気持ちを考えた人いるかな。今考えたことでもいいよ」
「つらい」
「のけ者にされている」
・・・
Aさんの意見を書かないことで、Aさんの考えに縛られずに他の子どもたちも考えることができます。子どもたちが考えたことを残したければ、後で板書すればよいのです。
「どうやって解いた。Bさん」
「点の座標を代入しました」
「なるほど。点の値を代入するってどういうこと」
「このグラフが点を通るから」
ここで、「点を通る」を板書して、
「ありがとう。みんな点を通るってどういうこと」
「入れたら成り立つ」
「式を満たす」
・・・
「そうか、だからBさんは点の座標の値を代入したんだ」
ここでは、代入という解くための手順をすぐに板書するのではなく、その根拠となった「点を通る」をまず板書することで、根拠となる知識の整理をしたのです。
結果や手順を見れば答えはわかります。しかし、どうやったらそこにたどり着くかはわかりません。考えるための起点やその過程を板書することで、考えるための糸口が見えてきます。子どもたちが考えることにつながる板書を目指してほしいと思います。