第4回(通算162回)野口芳宏先生 講演内容
- 公開日
- 2025/10/20
- 更新日
- 2025/10/20
活動報告
令和7年10月13日(月祝)、第4回教師力アップセミナーでは、野口芳宏先生をお迎えして、「第1部 物語文の授業で大切にしたいこと 第2部 教養講座『改めて教育の大切さを考える』 第3部24年間を振り返って(玉置崇先生と対談)」と題して、午前と午後を合わせ3部構成でご講演をしていただきました。
●第1部~物語文の授業で大切にしたいこと~教材:5年「たずねびと」(光村図書)
第1部は、光村図書5年の物語文「たずねびと」の教材についてご講演していただきました。「たずねびと」の教材から子どもたちに国語学力を学ばせる大切を教えていただきました。国語学力には、読字力や語彙力、文脈力といった力があります。例えば、「たずねびと」の教材の中には、「原爆供養塔納骨名簿」という複合語があります。この複合語からも学ばせることがあり、「原爆」は何の略語なのかを問い、「原子爆弾」の単語を学ばせることも国語力に繋がる指導であることも学びました。書字力という漢字の筆順に関しても「左から右、上から左」という基本を定着することで、漢字の書き順を覚えることができるとお話がありました。国語科の教材内容を踏まえ、教科内容を子どもたちに学ばせることで、学力を身につけさせることができると述べられていました。語彙力は、文章や日常からでも身に付ける必要性を学びました。日頃から辞書をもち、分からなければすぐに辞書を引くことで、語彙力を伸ばすことができると強調さえれていました。野口芳宏先生は、今でも常に辞書を持ち歩き、すぐに調べることができるようにしているそうです。
●第2部~教養講座「改めて教育の大切さを考える」~
第2部は改めて教育の大切さを考えるについてご講演していただきました。哲学者のカントが唱える「人は人によって人になる」の言葉や井口潔の「人には2度の誕生が必要」という言葉から今AIの人工知能が発達している中で、教師という仕事は、人でなければいけないことを強調されていました。また、目標と目的では、どちらが大切かを問い、「目的」が大事と述べられていました。教育の目的は、「人格の完成を目指し」という言葉が初めにあり、小学校や中学校の卒業後も人格の完成を目指していかなければいけないとお話がありました。
●第3部~24年間を振り返って~
第3部は、教師力アップセミナーの24年間を野口芳宏先生と玉置崇先生との対談を通して、振り返りをしました。教師力アップセミナーが始まって24年間、野口芳宏先生は第1回からこの教師力アップセミナーで長年に渡りご講演していただいていました。その第1回が始まる話を玉置崇先生から話していただき、今の教師力アップセミナーが野口芳宏先生の後押しもあり続けることができていることをお話されていました。また、24年間という長い期間には様々なこともありその中で、教師力アップセミナーを閉じる考えもあったそうです。しかながら、教師力アップセミナーの関わっていただいている先生方のおかげで、今まで続けることができたとお話がありました。
本講演では、光村図書5年の物語文「たずねびと」から国語学力(読字力・語彙力・文脈力)を学び、「改めて教育の大切さを考える」で教育の目的を考え、教師力アップーの24年間を振り返ることで、私たちの今後の教師力につながるものとなりました。野口芳宏先生には、長年にわたり教師力アップセミナーの大黒柱として登壇していただき、先生方へ多くのことを学ばせていただきました。厚く御礼を申し上げます。またご多用の中、ご参加くださった先生方に深く感謝いたします。