たんぽぽ学校の由来
新潟小学校が、「たんぽぽ学校」といわれるようになった由来を紹介します。
昭和41年5月1日学校だより35号から
タンポポ学校
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タンポポが咲きます。黄色い花が、ポンポン咲きます。学校の前、歩道に沿って——それから東側、玉つばきの垣に沿ってずうっと——黄色く光る帯を作って咲きます。
朝、幼稚園へいく坊やが、そっとさわったりします。「タンポポさんだね。」というおばあさんがあります。よその先生もほめてくださいます。黄色く光る花の帯は、きれいです。
はじめて、校長に着任した昭和三十七年の四月ころは、このタンポポは、四株くらいだったと思います。
用務手の福田おじさんが、あっちこっちからみつけて来ては、植えてくれました。わたしもよそから、一株二株と運びました。
こうしているうちにだんだんふえて、二年前から、学校前は帯になり、人もほめるようになりました。福田さんは喜んで、こんどは、東側だと、去年の秋に一株一株移し植えて、今花ざかりというわけです。
タンポポの咲く学校は、きれいです。
ひなびて地味で強いタンポポ
かわいらしく笑いかけるタンポポ
それでいて、晴れやかなタンポポ
あたたかな気分がして、楽しいです。
一株、二株、一年、二年
たとえ、つまらないもののようでも、ずうっとつづけて、かわいがり、育てていけば、きっとよくなり、立派になります。
こんなに、タンポポは、わたしたちの学校に住みつき、美しく立派にしてくれました。
子どもたちも、こんなに育ってくれないかなあと願います。少しずつ、目立たないけれど、勉強をつづけ、かけあしをつづけ、仕事にはげんで、考えを深め、心を高め、体をきたえていくならば、きっと立派になるだろうと思うのです。
たえず、かわいがり、はげまし、育てるならば、きっと立派になると思うのです。
人の耳目を驚かすようなものでなくても、じっくりと腰をすえ、あたたかく育てて、しっとりと、かわいらしい、晴れやかな人がらを育てたいものです。
おうちの皆様と、しっかり手をつないで、じっくりじっくり、あきることなく、たゆみなく、ずっと続けて積み上げたいと思います。
五月の空は晴れやかです。
タンポポ学校をだいじにして
いい学校にしたいものです。
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