味岡中学校の授業を参観して(菊地)
- 公開日
- 2016/06/05
- 更新日
- 2016/06/05
学生の学び
5月26日、小牧市立味岡中学校の授業を見学させていただきました。
どの教室も、教室と廊下の仕切りがなく、開かれた空間で生徒が学んでいました。また、教室の後ろの壁の利用の仕方が印象的でした。
岐阜県の場合、担任教師が遠足や体育祭などの学校行事に合わせて、クラスの取り組みなどを年表のような形式でまとめて掲示することが多いと思います。
ところが、味岡中学校ではそのような掲示はありません。その代わりに、誰かの誕生日をお祝いするコメントや、クラス全員の集合写真に加えて血液型別の集合写真などが掲示してありました。クラスによって集合写真のレパートリーが異なっているところに自由な雰囲気を感じ、写真に写った一人一人をよく見ると、どの生徒も笑顔があふれていて、クラスの生徒たちの仲のよさが伝わってきました。
クラスの生徒の仲のよさは、授業中でも顕著でした。最初に見学した3年生の数学の授業では、平方根の学習をしていました。冒頭で先生が問題を提示し、グループ体型になるように指示を出しました。4人で協力して正解を目指すようにという指示でした。
生徒たちは4人のグループで話し合いを始めました。どのグループも話し合いが途切れることはありません。グループの誰か1人はある程度理解しているようで、他のグループのメンバーに教えているケースが多かったです。
このとき、私はあるグループの話し合いが特に印象に残っています。他のグループと同様、教え合いが進んでいました。しかし、教えてもらっていた生徒が教えていた生徒に「さっき、こうやって教えてくれたけど、この場合はどうなるの?」という質問を投げかけていました。これを受けて、教えていた生徒は「えー考えてなかった。分からないよ」と言い、困った表情を浮かべていました。これはすごくいい学びの瞬間だと私は思います。塾などに通っていて、理解していたつもりの生徒も、理解しきれていない部分が話し合い形式の学習によって明確になったのです。
この後、グループの中では解決できず、その様子を見ていた隣のグループの生徒が声をかけました。すると、声をかけてきた生徒もすぐには分からず、自分のグループのメンバーと話し始めました。
このように、一人の生徒の素朴な疑問がグループを超えてどんどん広がり、学びが深まっていくことこそ、グループ形式での話し合い学習の利点だと感じました。先生が板書し、生徒に挙手を求めるだけの授業ではこのような気づきは得られなかったと思います。とてもいい学びの瞬間を見ることができました。(菊地)